スイスで9日に実施した国民投票で、
移民の受け入れに上限を設ける提案が賛成多数で可決されました。
政府は3年以内に具体的な上限を決めるそうです。

賛成50.3%に対し反対は49.7%と僅差での可決でした。

提案は憲法改正を要するため26州のうち半分以上の州で
賛成が半数を上回る必要があったのですが、この要件も満たしました。

多国籍企業や国際機関が多いチューリヒ州やジュネーブ州では
反対が過半数を占めたものの、
人口の約7割を占めるドイツ語圏の州は大半で賛成が反対を上回ったそうです。

この結果は、雇用を奪われることなどへの国民の不満を反映したものです。
国民投票は保守派政党が実現を働きかけました。
外国人が人口の25%近くを占め、スイス国民の雇用が脅かされ、
住宅の価格や賃料が高騰する原因にもなっていると主張していました。

しかし、労働力の多くを外国人に依存している実態もあり、
移民規制の強化についてはスイス政府や経済界が強く反対しており、
スイス銀行家協会は9日、ツイッターで投票の結果に不満を表明し
「EUとの建設的な協議が必要だ」とコメントしています。

つまり、この決定は、相互に人材の自由移動を認める欧州連合(EU)との
関係悪化につながりかねないほか、
欧州での移民排斥運動が勢いづく可能性があります。

それほど大きな問題なのです。

スイスの人口約800万人に対し、EU出身者だけでも年6万4千人が流入。
欧州債務危機後も景気が底堅く推移し、
所得水準も高いことが人材を吸い寄せているという面があります。

EU非加盟のスイスは、EUとの間で人材の自由な移動を認め、
相互に市場アクセスを与える条約を結んでいるのですが、
スイスが移民規制のために条約の改定を申し出れば、
EUが通商や金融での関係見直しを求めかねないでしょう。

EUの欧州委員会の報道官は9日、
「EUはこの提案の影響をスイスとの全体的な関係の中でみていく」と
発言しています。

日本は、外国人の雇用や帰化、ビザ取得に非常に厳しく対応していますが、
少子高齢化の昨今、外国人の受け入れを強く主張する声も出ています。

現実的に優秀な外国人を受け入れることで、
刺激にもなりますし、なによりこれからの日本には必要かもしれません。

しかし、100年後、人口の半分が外国人だったら
日本文化はどうなるのかな・・・なんて、考えちゃったりして。