年末年始の嬉しい話題としては、
お隣の韓国と、慰安婦の問題に解決の兆しが見え始めたことです。
今後は、少しずつ仲良くなって行けるといいですね。

今回は、そんな韓国の話題です。
他国の話題と思わずに、読んでいただけたらと思います。

日本でも若年層の就職難が起こっています。

数字的には求人率の数字も、雇用の数字も上がっては来ていますが、
その実態は決して楽観視できる内容ではないのです。

韓国では、まず一流大学に入るために親が必死になっているという報道を
聞かれたことはあると思います。
そして、大学入学という最初の関門を通過しても、
大学卒業後、何年にもわたって就活を継続する若者が多くいます。

彼らは経済的に困窮し、
「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の
7つを諦めざるを得ない「七放世代」とよばれています。

この背景には中小企業と大企業の収入格差があるからです。
生涯収入では2倍以上の収入格差が存在するため、
若者は大企業に殺到し、結果的に多くの就職浪人を生んでいます。

彼らの声は、
「結婚は33、4歳くらいまでにしたい。出産も40歳前にはしたい。
親孝行もしたい。でもその前に働かないと…。
とても、焦りを感じています。
新卒は毎年生まれていてライバルはどんどん増えていくんです。
自分は歳をとっていくばかりですから」

今回は、ある一人の女性の実態をもとにお話を進めますね。

出版業界を志望している女性Nさん(27)は、
大学卒業後、就職活動を5年続けています。

ここ2年間で大手出版社を中心に50社以上に応募しましたが、
ほとんど書類選考で落とされ、面接まで進めたのは3件で、
現在はアルバイトで貯めた貯金を切り崩してなんとか生活しています。

こうした就職浪人は韓国では珍しいことではありません。

韓国統計庁によると、2015年の国内失業率は4.6%ですが、
青年層(15〜29歳)では10.0%と際立って悪いのです。

韓国では毎年40万人の大卒者が就職活動を行いますが、
彼らの多くはサムスンやLG、現代自動車などの
財閥系大手企業を志望します。

しかし、大手企業は国際化しているため、国内での採用を減らしており、
国内での採用予定数は年間11万人程度にとどまります。
狭き門に学生が殺到する一方で、
中小企業では人材不足にあえいでいるという現状もあります。

この現象は、日本と似ていますね。

こうした企業間による“格差”を生んでいるのは給与です。
財閥系大手企業の正社員の年収に比べ、
中小企業だと正社員でもその6割以下、
パートやアルバイトなどの非正規雇用だと4割以下になるそうです。

この格差は、年齢が上がることに大きくなるため、
生涯年収においては2倍以上の差が生じるのです。
大学卒業後の最初のキャリアに大企業を選ぶのは
韓国の大学生にとっては当たり前のことなのです。

中小企業には、将来性は大手企業に負けないくらい見込みがあっても、
それに見合う対価が得られないので、学生たちは中小企業を避けます。

また、両親からの期待を意識して大企業を選ぶ学生も多くいます。

韓国では儒教思想の影響が強いため、
若い世代でも大企業に入って親孝行をするべきだというのが
一般的な若者の考え方なのです。

Nさんは就職浪人していることを、父親には言い出せずにいます。
大学にまで行かせてくれた父をがっかりさせたくないからです。

就職活動が長引くのは、日本と異なる独特の事情もあります。
例えば、韓国の就活事情は学歴の他に、「スペック」が重要視されます。

「スペック」とは学歴とは異なる実践的な技能を証明するための
「実績」のことです。
就活生は資格やボランティア活動、語学試験のスコアなどの
スペックを競うように集めていきます。
近年では、大学在学中に職務に役立つ経験を積むため、
わざと留年する学生も増えてきているといいます。

Nさんは、ソウル市内の有名私立大学で行政学を専攻し、
副専攻として自分が興味のあった服飾デザインを学びました。

TOEICは600点前後と語学能力がないわけではありませんが、
韓国ではTOEIC900点の「スペック」保有者がゴロゴロいるので、
600点程度では見劣りしてしまうのです。

就職活動が長引くもう一つの理由は、

韓国の企業は日本と違い、
新卒一括採用にこだわりがあるわけではありません。
そのため、就職に時間をかけることが採用の段階で
不利になることはありません。
そのため就職活動が長期化してしまいます。

企業も自前で人材を育てるより、
資格や経験の上で即戦力になる人材を採用する傾向があるため、
大学卒業後すぐの就職は不利という見方さえあります。

実際、留年して先延ばしにした大学在籍期間をうまく利用して、
希望通り大手企業への就職を決める学生も少なくありません。
だが、就職活動が長期化すると、経済的に厳しくなるのも事実です。

Nさんは、卒業後はアルバイトや研修生として得た報酬の貯金を
切り崩しながら活動しています。

現在、27歳のNさん、まだ夢は諦めていません。

だが、現実はシビアです。

Nさんは言います。
「友達と会って交流することはやめてしまいました。
昔はほぼ毎日会っていたし、今でもとても会いたいけれど、
当面はその時間や労力を就職活動に使いたい」。

なんとか就職先を決めようと必死なのです。

「就職のために恋愛を諦めたわけではないのに、
就職準備に時間と気持ちを取られている間に、
いつの間にか、いろいろなことを諦めてしまう。
結婚も、就職して落ち着いてからと考えていたら
どんどん遅くなってしまう傾向にありますが、
結婚を諦めているわけではありません。」

財閥系と中小の企業間格差の大きさと
儒教的な価値観の根強い韓国の事情が
苦境に立たされる若者を生んでいますが、
Nさんの就職活動の出口はまだ見えていません。

韓国では就職活動に失敗し、貧困状態にある若者たちが急増しています。

彼らは「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の
7つを諦めた(=手放した)ことから「七放世代」と呼ばれています。

日本の若者たちが、こう呼ばれないようにするために、
我々ができることは何でしょうか。