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地方空港同士を結び急成長の異色の航空会社

フジドリームエアラインズという航空会社を知っていますか。

2009年に就航し、他社が見向きもしない地方路線を
次々とのみ込んでいるローカル専門の航空会社です。

なので、主要都市に住まわれている方には
あまり馴染みはないかもしれませんね。

では、「大手ともLCCとも競合しない」という
常識の逆を行く、知られざる4つの独自戦略を紹介致しましょう。

国内航空の新規参入は単独で経営を続けることは難しいことです。
事実、スカイマークやAIRDO(エア・ドゥ)などは経営破綻の後、
ANAホールディングスなどの支援を受け、経営再建を続けています。
そのほかも、ほとんどがANA資本の下、しのいでいるのが現状です。

しかし、フジドリームエアラインズ(以下FDA)は違います。
航空業界の常識の逆を行き、規模拡大を続けているのです。

日本は、狭い国土にも関わらず各地に地方空港がひしめき合っています。
最後の地方空港と言われたのは、富士山静岡空港ですが、
その開港に合わせて、静岡を地盤とする物流大手の鈴与が
「地元のために」と立ち上げたのがFDAです。
そして、いまだに鈴与の100%資本を貫いています。

最初に書きましたが、FDA最大の特色が、
「大手ともLCC(格安航空会社)とも競合しない」というものです。

ローコストだが、ロープライスではない。
地方と地方を結ぶ『リージョナル航空会社』というわけです。

航空会社は、羽田を起点とする「ドル箱路線」を欲しがりますが、
FDAは、あえて他社が見向きもしない地方空港路線を担います。
小牧~山形など16路線のうち10路線が、FDAの単独就航なのです。

その武器は76席、または84席の小型のリージョナルジェット機です。
FDAは、国内でいち早くブラジル・エンブラエル製の機材を導入しました。
聞きなれない飛行機かもしれませんが、世界では1200機も飛んでいる、
米ボーイングや欧州エアバスに継ぐ人気機種です。

こんな飛行機です。
  ↓
http://www.fujidream.co.jp/flight/kizai.html

国内航空の主流は170~180席のボーイングまたはエアバスの機材ですが、
地方路線を担うFDAにとっては大きすぎました。

エンブラエルの80席は、地方空港に適した絶妙なサイズ。
しかし、一方で、機材のメンテナンスや空港使用料などの運用コストは、
80席だろうが180席だろうがさほど変わりません。

ではなぜ、FDAは「地方路線」「80席」でも独立を維持し、
成長を続けることができているのか。
その裏にあるのが、4つの独自戦略です。

一つ目が、国内唯一となるエンブラエル機の
フライトシミュレーターの導入です。

山を切り開いて造成された富士山静岡空港のターミナルから
車で5分ほどの距離にFDAの「訓練センター」があります。
そこには、国内唯一のエンブラエル機の操縦訓練ができる
フライトシミュレーターがあります。
脱出訓練などを行うモックアップとあわせて、この設備のために
約20億円の投資をしたのです。

「フライトシミュレーター」や「非常救難訓練装置」など
充実した訓練設備を自前で持つことで、安全を確保できるほか、
乗員の増加や、経験のない地方空港での離着陸など、
急な需要に対応ができます。

一般にフライトシミュレーターは初期投資だけで20億円ほどかかるため、
創業時はJALやANA、あるいは海外航空会社の装置を借りるのが常識でした。

しかし、約30億円のエンブラエル機2機から始めたFDAは
当初から保有したのです。

2010年に経営破綻したJALが小牧空港から事実上撤退し、
この穴を埋めるようにFDAが本拠地を富士山静岡空港から移したのですが、
これが大幅な路線数拡大の契機となりました。

併せて、この時にJALなどから多くの操縦士が移籍し、
当初15人だった操縦士は90人以上に急増。
しかし、彼らはエンブラエル機など操縦したこともなく、
FDAが就航する地方空港の発着経験も乏しいという状況でした。

この時に、自前のシミュレーターがあったことで、
大手に依存することなく乗員の育成が行えました。

さらに自前のシミュレーターは思わぬ副収入をもたらしています。

JALグループのコミューター航空会社、ジェイエアも、
2009年からエンブラエル機を就航させており
この乗員の訓練のためにFDAの装置をレンタルしています。

そのためシミュレーターの稼働率はほぼ100%となっているそうです。
これにより、ジェイエアからの副収入は数億円に上るとみられています。

二つ目が、大手に依存しない販売システムです。

座席の販売や路線などを管理する自前の旅客販売システムは、
航空会社の営業の心臓とも言えます。
新規参入の航空各社の多くは、ANAの旅客システムを
“間借り”している状態ですが、FDAはこれを自社開発・運用しています。

これにより、システム利用料のコストがかからない上に
大手に営業情報を握られずに、新たな料金体系を導入できるなど、
経営の自由度が大幅に増しています。

2009年9月に空席状況によって運賃を変動させる
空席連動型運賃を国内で初めて導入しましたが、これにより
収益性が大きく改善されたといいます。

そのほか、空席が目立つ便の座席を直前に大幅割引で出す
「ドリームスペシャル」など、他社にはない独自料金を打ち出しています。
これらの影響で、就航初年度、49%だった全体の搭乗率は、
2015年度、地方路線中心にもかかわらず62.4%になりました。

3つ目は、大手にはできない地方自治体との連携です。

ほかの航空会社が見向きもしない地方路線に徹していることで、
自治体が旅客需要の掘り起こしに本腰を入れてくれるほか、
キャンペーンやチャーター便ツアーへの支援も得られています。

大手航空会社も企業ですから、地方路線からは
『もうからなければ撤退する』という姿勢を示しています。
その半面FDAは、同じ目線で本気で一緒に需要を開拓しなければ、
生きていけないという必死さと真剣さがあります。

旅客数が少ない地方空港を抱える自治体は撤退におびえ、
補助金を出すケースが多かったのです。
FDAの真摯な姿勢に自治体も、本気で一緒に考えるようになってくれる、
そういう関係ができてきています。

例えば、山形県の場合、需要喚起に7200万円の予算を捻出し、
三重・伊勢側の行政、観光関係者などを集めた連携会議を開催しているほか、
旅行会社と組んだツアー開発や山形空港から観光地へのアクセス改善などに
努めてきました。

具体的にどのような取り組みだったかというと、
江戸時代の人々は、「西の伊勢参り、東の奥参り」と、
三重県の伊勢神宮を「陽」、山形県の出羽三山を「陰」と見立て、
一生に一度は成し遂げねばならない風習として守っていたそうです。

そういう風習にあやかり、2016年6月、
出羽参りを終えた一行は、山形空港を出発し小牧空港に、
そして伊勢参りへと向かいました。
これは、FDAと山形県が中心となって企画した「山伏ジェット」という
キャンペーンの一環です。

2009年にわずか3路線から就航したFDAは、JALが撤退した路線などを
次々と復活させ、今では16路線68便に成長しています。
2015年度は黒字化を達成し、当初2機だった機材も11機に増えました。

経営不振に陥ったJALが真っ先に撤退した「松本~福岡」線。

長野県から「何とか飛んでもらえないか」と請われ、
FDAが2010年に就航しました。
九州の中高年向けにアルプスの魅力を伝え、
夏場の旅行需要を喚起する取り組みを県とともに重ねた結果、
就航当初、30%台だった搭乗率は夏場平均(2015年7~9月)で
80%まで向上したのです。

4つ目は、大手にはできないチャーター便です。

現在常時2機をチャーター便向けに割り当て、
発着枠が余っている地方空港までダイレクトにつなぐことで、
これまでにないツアー商品を旅行会社と共同で開発して、新市場を開拓しています。

JALやANAが、年間でも数十便にとどまっているのに対し、
FDAが昨年度に飛ばしたチャーター便は約900便。
累計では今年6月、2000便を超えたそうです。

北は稚内、中標津から南は宮古、与那国まで、全国53空港への就航実績があり、
今年度は約1500便のチャーター便を計画しています。

これが可能なのは、発着枠が十分に余っている地方空港発着に特化しているのと、
常時1機、7月から2機をチャーター便に振り向けているためです。

「観光バス2台分」という、ツアーに適したエンブラエル機の座席数、
初めての地方空港でもシミュレーター訓練がいつでもできること、
といった要素が重なり、チャーター事業の急拡大が続いているのです。

これを地方の旅行会社が支えています。

JTB中部の主催ツアーでは、
北海道の稚内や中標津空港を利用した自然を巡るツアーが好調とか。
今年も非常に人気が高く、ほぼ完売状態だそうです。

知床や利尻島・礼文島を巡る7~8月のツアー、
9~10月は、隠岐諸島、奄美大島、種子島・屋久島といった
離島を巡るツアー商品が人気だそうです。

おまけにFDAは、行き先の自治体や観光協会から、
プロモーション費用の補助やホテルの確保といった支援を得ており、
旅行会社を加え、三位一体で新市場の開拓をさらに加速させています。

チャーターで国際線進出も視野にいれており、
マラソン大会や学会といった国内イベントなどに合わせた
海外発着のチャーター便が、今年度内にも実現するかもしれません。

常識の逆を行く独自戦略で成長を遂げるFDA。
「航空風雲児」の躍進は、まだまだ続きそうです。

http://www.fujidream.co.jp/flight/kizai.html

中国はなぜメダルが減った?

リオ五輪も大きな盛り上がりの中閉幕し、
間もなくパラリンピックが始まります。
ハンディキャップをもった選手たちの超人的な能力には
偉大なものを感じます。

健常者の自分がもたもたとした生き方をしたら恥ずかしいと思いながらも、
精一杯応援したいので、私はしばらくは夜更かしが続きそうです。

でも、
リオ五輪はたしかに面白かったですね。

日本にとっては獲得メダル数が史上最多を記録し、
次の東京五輪に大きく弾みをつけるかっこうとなりました。

東京五輪については、エンブレムのトラブルや
新国立競技場のデザイン変更など、
いろいろありがたくない話題を提供してしまいましたが、
日本選手が地球の裏側のリオ5輪でこんなに活躍していると
4年後がとても楽しみになりますね。

リオ五輪では、驚くような出来事もたくさんありました。

プールが緑になったり、
マラソンコースに反政府抗議者が侵入してビラをまいたり、
ゴルフコースにワニやカピバラが侵入したり、
ナイジェリアの国歌を流すときにニジェールの国歌が流されたり、等々。

唖然とするようなアクシデントもありましたが、
それでも世界のトップアスリートたちがしのぎを削るのを見るのは
ワクワクしたし、なにより日本人選手が活躍したのが本当にうれしかったです。

ところで、リオ五輪で中国選手が思いのほか活躍しなかった、と
・・さんは感じませんでしたか?

そう感じたのは私だけではないようですよ。

中国国内外のメディアで、なぜ中国選手が急に金メダルを取れなくなったか、
というテーマの記事が散見されています。

北京五輪では金51個、メダル総数100個を記録した中国は
リオ五輪では金26個、メダル総数70個に激減し、
メダルの総数でいえば米、英に次ぐ3位でした。

日本の金12個、メダル総数41個(リオ五輪)に比べると
十分多いのですが、中国人たちにしてみれば、金の数が全盛期の半分になった、
英国にも負けた、どういうわけだ!?ということなのでしょう。

リオ五輪の開催前は、中国は金メダル最高36個が期待できる、
との予想もでていたようですが、それより10個も少ない。

特に体操。
ロンドン五輪では、体操はメダル12個中5個が金。
北京五輪ではメダル18個のうち11個が金でした。
それがリオでは銅が2個にとどまったのです。

多くの中国人は、選手の実力のせいではなく、
選手のメンタルが原因だと思っているようです。
つまりかつてほどハングリー精神、ガッツがなかった、ということ。

では、なぜ選手たちにガッツがなくなったのか。

中国メディアでは、
中国が金メダル至上主義でなくなった、とか
スポーツ大国で金メダルが減ること自体は悪いことではない、
といった論評があるようです。

例えば、ニューヨークタイムズの北京駐在記者のクリス・バークリーが
書いた記事の中身を簡単に紹介すると、次のような内容です。

中国はかつて金メダルの数でもって国力の増強具合の指標としてきた国だった。
しかし、中国は国際スポーツイベントにおいて、メダルそのものに
選手と納税者(国民)たちが、そこまで多大な犠牲を払うほどの価値を
確信しなくなった。

さらには、中国政府の体育管理部門のやり方も、
そうした時代の変化に対応できておらず、多くの人が批判的である。

五輪金メダリストのためにわが子を厳しい訓練の場に送り込む親も減っている。

今までは、地方の小都市・農村出身でも、スポーツ選手になれば
よい暮らしが送れると信じている親たちが、我が子を体育学校に
送り込んでいました。

しかし、子供の未来に五輪金メダリストの夢をかけるような
そうした親たちは減っており、同時に、余暇、趣味として
スポーツを教えるスポーツクラブや学校のクラブが人気になってきている、
と報じています。

そうすると、中国経済の改革と同じく、スポーツ行政も
改革論議が起こるべきなのですが、
中国の国家スポーツ育成システムを改革するということは、
多数の党員・公務員が飯のタネを失うことになるので
習近平主席率いる政府も思い切った改革もできないということのようです。

こうした状況について、
政治改革、腐敗退治、体育制度改革に注意を向けねば
今回五輪のような成績の低迷は続いていくだろう、と指摘しています。

中国の大衆は、国家の代理戦争という気持ちで
五輪を見ていた時代がありましたが、
徐々に競技そのものを楽しむように変わっていっています。

とはいうものの、中国の五輪への執着は依然強く、
中国の民衆は日本に対しても、まだ深い敵意を抱いているところがあるので、
中国政府は東京五輪で最多の金メダルをとることを選手たちに要求しているようです。

目標を東京五輪に置いているので、リオ五輪には若手選手をより多く参加させたため、
その分、成績が悪くなったという意見もあります。

実際、中国では、勝てば国家的ヒーローですが、結果を出さなければ
大バッシングを受けるプレッシャーにさらされ続けた結果、
心と体にかなり問題のある選手も、しばしばニュースになっています。

引退後、お金に困ってネット上で金メダルを売る選手や
窃盗などで逮捕される選手、ドーピングや過剰な練習によって
身体に障害を負った末、使い捨てにされた選手、
またメダルをとったとたん一気にセレブ扱いになり、
莫大な金が集まってくることで競技への情熱を維持できない選手などの問題は、
五輪の季節のたびに、中国でも社会問題として報じられています。

陸上や体操、レスリングといった競技はとくに、
そういった中国スポーツ育成システムの宿命を抱えていました。

実は、もう一点、重要なことがあります。
切実に中国経済が悪化しており、金メダリストに対して、
かつてのようなバブリーな賞金や企業スポンサーによる
副賞がなくなったということです。

たとえば、リオ五輪の金メダリストに対する国家体育総局からの報奨金は、
ロンドン五輪50万元のころの半分以下で、19万元に激減しました。
さすがに、これは選手たちのモチベーションが一気に下がるのも
仕方がないのかもしれません。
さらにいえば、地方政府とスポンサー企業からの副賞もかなり減ったようです。

例えば、騰訊ニュースによると、例えばリオ五輪の自転車トラック競技で、
中国史上最初の自転車競技の金メダルをとった宮金傑の故郷の
吉林省東豊県の書記が、彼女の父親に50万元の奨励金を贈ったことが
ニュースになりました。

これと比べて、北京五輪のときには、
卓球選手の王皓が卓球男子団体の金メダルを吉林省初の五輪金メダルとして
持ち帰ったとき、彼がもらった奨励金は、吉林省政府から120万元、
長春市政府から100万元、さらにスポンサー企業から68万元と豪華マンション一戸。
総額にすると、軽く6倍になります。

リオ五輪で男子水泳自由形200M、400Mで金、銀をとった孫楊は
ロンドン五輪のときに金2個銀1個銅1個というメダルを持ち帰ったのですが、
このとき彼が得た賞金、奨励金、副賞の総額はざっと4億元相当だったとか。

ざっくりといえば、北京五輪のときは省級政府からの奨励金は100万元から150万元、
市級政府で80万元から100万元が相場でした。
ロンドン五輪ではそれが、省級政府60~80万元、市級政府40~50万元に激減し、
リオ五輪では、さらに激減したようですが、その激減ぶりは
公的には明らかにされていません。

その背景には習近平政権の反腐敗キャンペーンが影響していると言われています。
詳細な状況は割愛するとして、習近平政権になってから、
地方財政がかなりひっ迫したうえに、いびつな体育行政と
それに伴う腐敗の問題が、反汚職キャンペーンのターゲットとして
追及されたことは確かなようです。

中国の選手にとって、得られる賞金・奨励金・スポンサー企業の副賞、
その後の安泰な生活への約束が、やはりメダルへの執着を支える
大きな要素ではなかったのか。

中国経済のバブル崩壊とともに、五輪の金メダルバブルがはじけたというのが、
リオ五輪の中国不振の大きな背景ではないだろうか。

このような内容のことが報じられています。

中国選手やスポーツ観戦客の競技観、五輪観の成熟、中国経済の失速、
どちらにしても、国家、共産党政府の与える政治的任務を果たそうと
厳しい練習に耐え歯を食いしばって金メダルに執着する選手は
今後ますます減っていくように思えるのですが、
東京五輪で、どのようになっているか静観したいと思います。

中国のことはさておき、4年後の東京五輪では、日本の選手たちが
正々堂々と戦い、素晴らしい活躍をしながら世界の交流の場となるよう、
心から願います。

オーストラリアのワーキングホリデーにバックパッカー税が

良くご存知のオーストラリア(Australia)は、
オーストラリア大陸本土と、
タスマニア島及び多数の小島からなるオセアニアの国です。

漢字による当て字では伝統的に「濠太剌利」と表記され、
そこから濠洲(ごうしゅう)となり、
日本では、豪州(ごうしゅう)とも呼称されています。

同国の総面積は世界第6位で、
先進国、かつ世界で最も裕福な国の1つであり、
世界第12位の経済規模となっています。

2014年の一人当たりの国民所得は世界第5位で、
軍事支出は世界第13位です。
特筆すべきは人間開発指数リストで、
ノルウェーに次いで世界第2位なのです。

人間開発指数とは、平均余命、識字率、就学率、
国内総生産によって決まり、
「先進国」、「開発途上国」、「後発開発途上国」を分けるための
指標としても使用されています。

そして、人間開発指数リストとは国際連合に加盟する193カ国の内、
187カ国の人間開発指数(HDI)に関する国別リストのことです。

つまり、クオリティ・オブ・ライフ、保健、教育、経済的自由、
自由権及び政治的権利の保護のような国家業績の
多くの国際比較において、同国は高位にあるということです。

さて、オーストラリアという国名の由来ですが、
ラテン語で「南の地」を意味する terra australis から来ています。
これはヨーロッパにおける伝説上の大陸で、
テラ・アウストラリス・インコグニタ(ラテン語)の
ことを指しています。

少し歴史に触れますと、

1606年にオーストラリア大陸に最初に到来した白人は
オランダ人のWillem Janzでした。
彼は、赤道付近の熱帯の北部地域に上陸し、
その周辺のみしか探索しなかったため、植民地には向かないと判断し、
それにより、オランダ人は入植しなかったのです。

1770年にスコットランド人のジェームズ・クックが
温帯のシドニーのボタニー湾に上陸して領有を宣言し、
入植が始まりました。

東海岸をニュー・サウス・ウェールズと名付け、
1788年からアメリカに代わり流罪植民地として
イギリス人の移民が始まったのです。
初期移民団1030人のうち、736人が囚人で
その他はほとんどが貧困層の人達でした。

また、当時は軽犯罪でもオーストラリアに流刑されたといいます。
1791年の第2回囚人護送は1017人で、
航海中に281人が死んだのですが、
植民地での食糧難を解消させたいため、
イギリス政府は1年を待たずして自由移民を募り
農地を拡大させていきました。

1828年に全土がイギリスの植民地となり、
開拓がさらに進んで行きました。

内陸を探検し、農牧地を開拓していったのですが、
その段階で先住民のアボリジニから土地を取り上げて
放逐、殺害しました。
1830年までのわずか数年で純血のタスマニア先住民は
絶滅させられたと言います。

現在に戻りましょう。

オーストラリアにとって日本は最大の輸出相手国であり、
近年、オーストラリアではアジア・太平洋地域との結びつきを
重視し始めており、
日本製品(主に自動車や電子機器などの工業製品)を
多数輸入しています。

オーストラリア国内には日本製品が多数存在し、
オーストラリア人の生活には欠かせないものとなっています。
これらのことから、現在日豪FTAと呼ばれる
日本とオーストラリア間のFTA(自由貿易協定)交渉が行われています。

日本からは留学生や観光客が大勢オーストラリアを訪れていますが、
1980年には、オーストラリアと
ワーキングホリデー協定を締結しました。

ここから、やっと今回の本題に入ります。

海外からの若者が休暇を楽しみながら、
一定の就労をすることを認められる「ワーキングホリデー」。

オーストラリアは、この制度を使って海外に行きたいという
世界の若者にとって人気の国です。
しかし、政府がワーキングホリデーにも
課税する方針を打ち出したため、
国内外で大きな波紋を呼んでいます。

当初予定していた今年7月の導入は見送られましたが、
課税する方針は変えていません。
この政策は、若年外国人の労働力を必要としている農業や
観光業にとっては強い逆風になります。

制度利用者からは「課税されるならよそへ行く」と
反発する声も上がっています。

実際にどのような現状なのか、代表的な1例をお話すると、

東部クイーンズランド州の州都ブリスベンから
北へ車で約45分のところに
見渡す限りのパイナップル農園が続いています。

エリンバーの農園で5人の若者たちが働いていました。
腰までの高さの葉が茂る畑に分け入り、
軍手をした手でたわわに実るパイナップルを
茎から一つずつへし折ってトラックに積み込む人や、
トラックの荷台でパイナップルをトレーに詰める人がいます。

コンベヤーでごろごろと流れてくるパイナップルを、
中腰になりながらケース詰めしていたフランス出身の
ルーシー・デ・ドンノさん(27)は、
「オーストラリアの気候やライフスタイルが大好き。
ここでの仕事はいい稼ぎになるわ」と話します。

ワーキングホリデー制度を活用して働く彼女が受け取る賃金は、
果樹園での作業に適用される最低賃金の
時給21.6豪ドル(約1640円)です。

今は、週38時間働き、820.8豪ドル(約63,000円)の
週給を得ていますが、
来年からは税引き後の手取りが554.04豪ドル
(約42,000円)に減る計算です。

ワーキングホリデーの若者たちの収入が目減りすれば、
休暇の楽しみも節約せざるを得ず、
ダイビングなどの観光業にも打撃を与えるのは必至とみられています。

若者の足がオーストラリアから遠のくのは間違いないでしょう。

ワーキングホリデーは18~30歳の外国人に一定の就労を認める制度で、
2015年12月時点で、15万5180人が同制度を利用して
オーストラリアに滞在しています。

出身国・地域別では英国が1位で、
台湾、ドイツ、韓国、フランスと続きます。

日本は約9000人で第7位です。

2015年から中国でも年5000人を上限とする
ワーキングホリデービザの発行が始まりましたが、
初回の1500人の枠は受付開始から数分で埋まる
人気ぶりだったそうです。

そこに浮上したのが「バックパッカー税」と呼ばれる今回の増税案です。

現在は、オーストラリアでワーキングホリデー制度の利用者には
年収1万8200豪ドル(約140万円)まで税金がかかりません。
しかし、政府が予定している制度が導入されれば、

2017年1月から年収8万豪ドル(約620万円)まで
一律32.5%の所得税が課されることになります。

ワーキングホリデーの行き先として人気のあるカナダの所得税は
年収4万5282カナダドル(約350万円)まで15%、
ニュージーランドは4万8000NZドル(約350万円)まで
17.5%なのに比べると、
オーストラリアの税率が際立って高いですよね。

政府はバックパッカー税で年2億2000万豪ドル(約168億円)の
税収増を見込んでいます。

政府としては、資源ブームが終息するなか、
少しでも税収を増やすのが狙いですが、予想外の反発があり、
当初、バックパッカー税を今年7月に導入する予定でしたが、
「幅広く内容を見直す」として、直前の5月に
導入を半年先送りすると発表しました。

だが、導入方針自体を変えたわけではありません。

税収を期待する政府はいいとしても、
「旅の若者」に依存する農家は人手不足を懸念しています。

オーストラリアの農家は、広大な農園を持っていることが多く、
収穫期には大勢のバックパッカーの労働力を使っています。

500エーカー(1エーカー=約0.4ヘクタール)の
パイナップル農園を経営するフラートンさんは、
20人のフルタイム従業員のほか、収穫期に20~30人の
ワーキングホリデーの若者を雇っています。

近くには人口6万人の都市がありますが、
きつい農作業をやりたがる若者はなかなかいません。
若者は福祉に依存してばかりで働かず、
地元で労働力を確保するのは無理だとフラートンさんはあきらめ顔です。

ワーキングホリデーのビザは1年間有効ですが、
シドニーやメルボルンといった大都市ではなく
地方で働く場合は、2年間延長が可能で、実際に
92%が、1年目に農業に従事した実績があったそうです。

オーストラリアでは、「ワーキングホリデー制度を利用する外国人労働者は、
農業に必要な労働力の4分の1に上り、
現実に農家は彼らに大きく依存しています。

旅人が短期間働くのは、オーストラリアでは見慣れた風景で、
農家への支援なしに実現など不可能だというのが
農業従事者の声です。

バックパッカー税導入のニュースはすでに海外に伝わり、
制度の利用に影響を及ぼし始めています。

クイーンズランドの小麦農家は例年、1日で30人の
ワーキングホリデーの若者を集めることができたのですが、
今年は2週間で3人しか応募がなかったということです。

ワーキングホリデー制度は外国の若者に働きながら
オーストラリア各地を旅行し、
文化交流を体験してもらうのが本来の趣旨ですが、
その一方で、世界でも賃金水準が高いオーストラリアに
出稼ぎにきているという批判が根強くあります。

農家と、ワーキングホリデーを活用したい
世界の若者の悩みは深まるばかりです。

赤ちゃん売ります──貧困があおる人身売買 ブルガリア

今日の話題は少し暗くなりますが、
世界にはこんな一面があるということも知っていただけたらと思い
今回のテーマにしました。

今回登場する国は、ブルガリアです。

ブルガリアと聞いて想像するのは、ヨーグルトや琴欧州でしょうか。

ブルガリアは、正確にはブルガリア共和国といい、
東ヨーロッパの共和制国家です。
バルカン半島に位置しており、南はギリシャやトルコと隣接していて、
黒海に面していると説明すると、地図上のイメージがわくと思います。

7世紀頃にはブルガリア帝国という国家がありましたが、
東ローマ帝国に2度にわたり滅ぼされたり、
14世紀にはオスマン帝国に滅ぼされたりと、
歴史的には非常に辛酸をなめています。

20世紀に入り独立を承認され、ブルガリア王国が成立しました。

近年に入り、いく度かの戦争の後、1944年にソ連の侵攻を受けて、
王政が廃止され共和制が成立したと同時にソ連の衛生国家になりました。

1989年には共産党政権が崩壊し、2001年に元国王が首相に就任。

しかし、ブルガリア経済はこの1989年から劇的に縮小しました。
ソビエト連邦を中心とした東欧の市場を喪失したことが大きな打撃となり、
生活水準は1989年以前の約40%にまで落ち込んだのです。

一時は持ち直したものの、貧弱な経済改革や不安定な銀行システムにより
再び悪化し金融危機にも陥りました。

そして、2007年にEUに加盟しましたが、加盟時にはEU最貧国でした。
加盟後には若年労働者や知識層が高収入を求めて
西欧へ流出することが危惧され、
ブルガリアの国力低下と共に、低賃金労働力が流入することで
西欧諸国との軋轢も拡大しています。

地方自治ですが、ブルガリア国内は28個の州に分けられています。
首都はソフィアですが、実はソフィア州とは異なる独自の州なのです。
ソフィア州の州都はソフィアに置かれているのですが、
ソフィア州はソフィアを含まないという、何ともわかりにくい構造です。

そして、それぞれの州の下には基礎自治体(オプシュティナ)が置かれていて、
これが事実上の最小の行政単位になっています。
日本でいうところの市町村に相当するものです。
それぞれの基礎自治体には選挙で選ばれた市長と市議会が設置されています。

一方、ブルガリアは、長い間の歴史的背景からいろいろな民族が入ってきており、
それらが混ざりあった素晴らしい歴史的建造物や文化がたくさん残っています。
国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が7件、
自然遺産が2件存在しています。

興味がある方は、ぜひ素晴らしい世界遺産を味わってみてください。
      ↓
http://世界遺産ハンター.com/worldheritage/bulgaria/

前置きが長くなりましたが、本日の話題に入ります。

ブルガリアではこの15年間に、貧しいロマ人コミュニティーで
新生児売買が横行するようになっています。
困窮した親が人身売買業者を介して、
養子縁組の法規が緩い隣国ギリシャで自分の赤ちゃんを売っているのです。

少数派で迫害の対象になることも多いロマ人の赤貧状態が
この傾向に拍車を掛けているようです。

実際の記事からの抜粋です。

ブルガリア南東部のさびれた村、
エクザルフ・アンティモボで、ある女性はこう明かしました。

「イリヤナは妊娠中にギリシャに行き、1週間前に帰ってきたよ。
おなかはもう膨らんでいないのに赤ちゃんはいない。
ギリシャで死産したと説明している」。

女性はいかにも事情に通じている様子で声を潜め
「あの人が売ったのはこれで3人目よ」と語った。

この村はブルガス州ブルガス市に程近く、
今世紀に入ってブルガス市のロマ人貧民街で始まったとされる新生児の売買は、
ブルガリア東部のバルナ、アイトス、カルノバト、
南東部のスリベン、また中部のカザンラクへと広がっていいます。

ブルガリア検察当局が捜査した新生児の売買事件は昨年だけで27件。
これらの事件では合わせて妊婦31人がギリシャに送られ
新生児33人が売買されたということです。

エクザルフ・アンティモボのロマ人村長サシュコ・イワノフ氏は、
「住民の97%は読み書きができない」とため息をつきます。
新生児の売り渡しは
「社会から最も取り残された層だけでみられる極端な事例」であり、
「貧困の極みに置かれたからこそ新生児が売られてきたのであり、
またこれからも売られていく」と指摘しています。

新生児を売り渡した母親には、新生児1人につき
3500~7000レバ(約22万~44万円)が支払われます。

仲介業者の取り分に比べればわずかな額ですが、
それでもブルガリアの平均月給が
400ユーロ(約5万円)であることを考えれば大金です。

一方、ギリシャの法規制も問題を悪化させているようです。

母親が公証人の面前でこの家族に自分の子どもを渡すという
意思を表明しただけで養子縁組が成立してしまうのです。
ただし、そこに(表向きに)金銭のやりとりが発生すれば違法となりますが。

人身売買がブルガリアで一大ビジネスとなっていることは
公式統計からもわかるようです。
欧州連合(EU)はブルガリアの司法制度の弱さと
まん延する腐敗を繰り返し批判していますが、
今のところ解決は難しそうです。

米国務省は2015年版の人身売買に関する報告書で、
「ブルガリアは依然としてEUにおける人身売買の最大の供給源の
一つとなっている」と指摘しています。

司法の機能不全を目の当たりにした幼稚園園長の
マリア・イバノバさんは非政府組織(NGO)の
ラブノベーシエと協力して、乳児売買禁止を訴える草の根運動に着手しました。

ところが、園児の母親らと直接この問題について話し合おうとしたところ
「敵意をむき出しにして」反発を受けたそうです。
現在は地元の園児や児童向けの啓発活動を行い
「きょうだいが売られることは異常なこと」だと教えているそうです。

ブレスレットやシールを配り、ロマ人の園児らの多くがそれを身に着けているといいます。
そこには「わたしは売り物じゃない」というメッセージが記されています。

日本は、なんと平和な国だろうと、
改めて感じるのは私だけではないでしょう。

最後に、ブルガリアの習慣では、
「はい」の意思表示として首を横に振り、「いいえ」として首を縦に振ります。

近年首振りを国際標準に改めようという動きがありますが、
ブルガリアを訪問されるときは、紛らわしいので気を付けて下さいね。

スイスの「ベーシック・インカム」に思う

最近出会う若い人たちは、県の名前や、
日本地図のどこにあるのかも知らないことが多く驚かされます。
たまたま社会科が嫌いだったのかもしれませんが、
情けなく感じるのは私だけなのでしょうか。

当然のことですが、多くの人は、
世界の話になると、さらに知らないことが多いのではないかと感じました。

であれば、時事ネタと一緒に基本ネタも意外と面白いのかもしれないと、
勝手にそう思いましたので、試しに101号は、
そのパターンで進めてみようと思います。

その第1号は、スイスにしました。

スイスと言うと、どんな言葉やイメージが浮かびますか。

スイス銀行、
アルプスの山々、
レマン湖、
マッターホルン、・・・などでしょうか。

スイスの正式名は、スイス連邦といい、ヨーロッパにある連邦共和制国家です。

日本語では、スイス連邦、あるいはスイス、
漢字による当て字では瑞西と表記します。

公式の英語表記は Swiss Confederation、通称は Switzerland。

国内には多くの国際機関の本部が置かれています。
首都はベルンで、
主要都市は、チューリッヒ、バーゼル、ジュネーヴ、ローザンヌなど。

永世中立国という言葉を聞いたことがあると思いますが、

現代におけるスイスは、国軍として約4,000名の職業軍人と
約210,000名の予備役から構成されるスイス軍を有しています。

有事の際は焦土作戦も辞さないという、毅然とした国家意思を表明しながらも、
永世中立を堅持してきた平和国として知られています。

スイスは国際連合平和維持活動(PKO)への参加に積極的で、
国外に武装したスイス軍部隊を派兵していますが、
決して武力行使をせず、
PKOでは武器を用いない人道支援に徹しています。

意外に思われるかもしれませんが、
国民皆兵を国是としており、徴兵制度を採用しています。
女子は任意ですが、20歳から30歳の男子には兵役の義務があります。

そして、先に書きましたが、多数の成人男子が
予備役もしくは民間防衛隊(民兵)として有事に備えているのです。

平和国家であるスイスですが、スイス傭兵の精強さは、
ヨーロッパの歴史上においても有名で、
現在もバチカン市国の衛兵はスイス傭兵が務めています。

実は、近世に至るまでスイスの主な産業のひとつとして存在したのが傭兵でした。
スイスはその地形から農業などの産業を発達させにくかったため、
戦力を輸出することで産業不足を補っていたのです。

現在は戦力の輸出は禁止されているものの、
バチカンの衛兵隊のみは唯一の例外として認められているのです。

経済面では、スイス連邦では、連邦政府、州、市町村の
3段階の行政組織が課税権を有しています。
税率は平均20%で、日本に比べるとかなり高い税率です。

しかし、それぞれが独自に税率を設定できるため、
個人の税率を低く設定して外国の富裕層の取り込みを図る州もあります。

スイス企業の産業分野は手広くて、金融業(銀行、保険)、
電力、観光業、精密機械工業(時計、光学器械)、
化学薬品工業などが挙げられます。

法人税についても優遇措置をとっているので、
外国から本社をスイスへ移転する企業もあるようです。

さらに、チューリッヒはスイス経済の中枢であり、
欧州屈指の金融センターです。

「スイス銀行」という言葉を聞いたことがあると思いますが、
これは単一の銀行の名前ではなく、スイス国立銀行とも違います。
一般には、匿名性や守秘性の高さで知られるプライベートバンクを指しています。

少し余談になりますが、スイス銀行は匿名口座のため守秘性が非常に高いのです。
口座名義が契約者の任意の番号で管理されており、名義人が表示されません。
そのため、世界の富豪に愛用されてきた長い伝統と実績、
および高い守秘義務の規定があります。

口座の顧客の身元を知っているのは担当者とごく一部の上層部だけで、
口座番号が漏れてもそこから身元を割り出すことはできません。
入金は口座番号さえ知っていれば誰にでもできますが、
口座番号を間違えると、守秘義務により、振り込んだ金は返って来ません。

顧客は来訪の際には前もって申請し、
必ず決められた時間に来訪しなくてはいけません。
他の顧客や自分の口座の担当以外の従業員との接触を避けるためです。

エレベーターは担当者が待つ階にしか停まらないようになっています。
そして、口座維持費が必要なので、為替相場にもよりますが、
最低で1000万円前後の残高が常に存在する事が必要です。

IMFによると、2015年のスイスのGDPは6640億ドルで、
世界第19位です。
同年の一人当たりのGDPは80,675ドルで、世界2位です。
(ちなみに、日本は、32,485ドルで、26位です。)

富裕層も非常に多く、9.5%の世帯が金融資産で
100万ドル以上を保有しているとされます。

さて、最後に今日の話題ですが、そのような国で、
「最低生活保障(ベーシック・インカム)」の導入について
賛否を問う国民投票が行われました。

ベーシック・インカムというのは、
年金や生活保護などの社会保障を廃止する代わりに
一定額を全国民に無条件で給付する最低生活保障制度です。

結果的には、賛成23.1%、反対76.9%の大差で否決されました。

ベーシック・インカムの具体的な支給額は提案の可決後に決める段取りでしたが、
市民運動家らは月額で、大人が2500スイスフラン(約28万円)、
子供は625スイスフラン(約69,000円)を提唱していました。

 
政府は現在の年金や失業手当を充当しても財源が不足すると指摘し、
反対するよう呼びかけていました。
経済界も働く意欲が大幅に下がるとして強く反対していました。

これに対し賛成派は貧困対策に有効なことや、
社会保障の一本化で行政の効率化につながると主張。

さらに、提唱する支給額は物価が高いスイスでは豊かに暮らせる水準でなく、
勤労意欲の低下にはつながらないとしていました。

ベーシック・インカムは失業問題など
市場経済の副作用を是正する仕組みとして期待される一方、
ばらまき政策に陥る懸念や労働者が働く動機を失うとの批判も多いのですが、

・・さんは、このような政策をどのように感じるでしょうか。

私が、スイスがユニークだと感じるのは、
このような国民投票が行われるしくみがあることです。

直接民主制が浸透したスイスでは10万人の署名が集まれば、
国民からの提案を投票に諮ることが決められているのです。

スイスでは、破格の報酬を受け取る会社代表に対して
過去にも高額報酬を規制する法案が通ったこともありますし、
現在は、多くの国と同じように、
経済格差の拡大が社会問題化している、という背景があります。

ベーシック・インカムの提案も、制度の実現よりも
問題提起を目指した面もあると言えるようです。

日本は、戦後1億総中流化社会を目指して経済発展をしてきましたが、
昨今は、国民の格差もどんどん広がっています。
この問題を今度どのように取り組んでいくのか、今の政治からは見えてきませんね。

今の政党は、与党も野党も、お互いに非難の応酬ばかりで、
聞いていても不快に感じます。
多くの問題がある中で、
もっと国民の声を聴く機会があればいいのにと思っています。

ヨーロッパに旅行に行かれたことがある人は体験されたかもしれませんが、
多くの国は日本に比べて物価が高いです。

ベーシック・インカムの話題とも関連しますが、スイスも物価は高く、

平均月収が6000スイス・フラン(約66万円)を超すスイスでは、
2500スイス・フランの給付では「足りない」との指摘もあったようです。

いろいろと書きましたが、スイスは理屈抜きに美しい国です。
機会があれば、一度は訪れる価値はあると思います。
それも、可能であれば素通りではなく、滞在型で・・・。

アドビは社員に「失敗してこい」と1000ドル渡す

パソコンを使う機会の多い方はご存知だと思いますが、
アドビシステムズの、斬新な取り組みについてです。

クリエイティブソフトウエア世界最大手の米アドビシステムズは、
過去に成功したパッケージソフトの販売を完全に終了し、
クラウド版に舵を切りつつ、
飛躍的に成長を続けている希有な企業の一つです。

さんの会社(経営者でない方はごめんなさい)は、
情報を集めたり、社員からのアイデアを募るのに
どのような仕組みを作っておられますか。

アドビシステムズは、2012年から社内の新規開発プロジェクトとして
「キックボックス」という取り組みを行っています。

キックボックスとは、文字通り「箱」。

箱の中身に入っているものは、付箋紙やチョコレートバー、
スターバックスのギフトカード、
そして1000ドル分のクレジットカードです。

 
社員は、自身のアイデアをある程度の形にするために、
箱の中身を自由に使うことができるのです。

一部の利用者に使ってもらって市場調査も可能ですし、
1000ドルを自由に使うこともできます。

1000ドルの使途の説明や報告は不要。

すでに1400名の社員がキックボックスを手に入れて、
実際にアドビの戦略に大きく影響を及ぼしたものも
出てきているようです。

なぜキックボックスを同社に導入したのかを、
クリティビティ担当バイスプレジデントの
マーク・ランドール氏のお話からご紹介します。

彼は、アドビに入社した2008年頃までに、
それまで3つのベンチャーを立ち上げており、
どちらかというと起業家やベンチャーコミュニティーに近い人間だったとか。

アドビは、伝統的な良質な会社ではあるけれども、
少なくとも自分が慣れ親しんでいた、チャレンジする文化とは
違うなと感じたそうです。

リスクを怖がっているようにも見えたそうです。

例えば、社員が何かを試したいと思っても、
30~50パーセントの成功率が見込めないと試せない。

この数値は、スタートアップとは全然違う基準です。

さらに新製品のサイクルも長い間検討を重ねて、
1年~1年半に一度、新商品を投入する。

1つの商品について、投資額は50万~100万ドル。
時間もコストも非常に大きな投資をしていました。

そうした背景の中で、2012年に、
もっと社員が気軽に立ち上げられるようなものを考えてほしいと
経営陣から言われたのがきっかけだそうです。

このキックボックスの特徴は、
まず、一般にありがちな
「経営陣に真っ先にプレゼンする」ということがありません。

最初に必要なのは、経営陣へのプレゼンではなく、
実際の利用者からの声やデータです。

経営陣へのプレゼンの前に、最初に市場に聞くということです。

これによって、経営陣にアイデアが届くときは
すでにその成功率がある程度数字として読めるようになり、
経営陣はそのアイデアに対して
“なんとなく”NGを出すこともできなくなるのです。

これは、会社にとっても、大きなメリットがあります。

まず、会議室で考えた、市場に受け入れられなかったアイデアは淘汰され、
会社が判断していたら見落とされていたような
斬新なアイデアに巡り会う可能性が高まるのです。

2つ目は、アイデアがあれば、
それを社員自らの責任で追求できるようにしたことです。

ある社員が思い付いたアイデアを、
会社にいるだけの(何もしない)誰かに悪いアイデアだと決めつけられたり、
会社に監督されたりすることもなく、追求できることです。

3つ目は、どのようにお金を使うかを
従業員に学ばせる機会にもなることです。

お金を与えることは、社員の意見に価値があるということを
理解することにもなり、信頼感が生まれます。

これは
「君たちは会社にとって重要だ」
「イノベーションを期待しているよ」
ということを言葉で何十回伝えるより効果があるものです。

お金を与えて任せることが大事なのです。

さらに、お金を委ねられることで、
自分がそのアイデアの最終決定者となり、
責任感も生まれ、アイデアの選び方も変わってきます。

ただ面白いのではなく、
コストを踏まえてビジネスとしてどうなのか、
という観点でアイデアを見据えるようになるのです。

ちなみに、渡した1000ドルは、
ほとんどのケースですべて使い切らずに戻ってくるケースが多いそうです。

アメリカノ話なので、ご存知ない方もいらっしゃると思いますが、
2015年の米フォトリアの買収などは、
キックボックスがアドビ本体の経営戦略に影響を与えた例です。

当時、アドビ自体がフォトストックのような
コンテンツを扱うサービスのアイデアを模索していました。

一方、キックボックスでは
コンテンツとメタデータをインデックスするというテストをしていました。

どんな索引を使えば、適切なコンテンツを探せるのか、
といったようなことです。

キックボックスでの調査の結果、
この作業というのが膨大であることが分かりました。

競争力のあるサービスを作るには、2000万とか4000万のデータが必要で、
それぞれのデータに何十というキーワード設定が必要だというのです。
つまり、コンテンツデータの量以上に重要なのは、
そこにどんな検索キーワードを設定するか、ということだったのです。

それは、人がどんなキーワードで検索した時に、
どんな画像を結果として出すべきかを検証しなければならないということです。

これはある種、人の考えや行動を学ぶことに近いものです。

その作業をゼロから立ちあげようとすると相当のコストがかかります。
そうした調査から、フォトストックサービスは、
自らやるよりは、買収した方がコストやスピードの面でメリットがある、
という判断に結びつきました。

新規開発については、「市場に聞くな」というセオリーもあるかと思いますが、
キックボックスでは「市場に聞け」のアプローチをしています。

アドビの中で、キックボックスが新規開発を担っているということではありません。
いわゆる「市場に聞かない」方法も持ち合わせています。

アドビでも、リサーチラボで博士号を持ったような人材が大学などと協力して、
技術的なブレイクスルーを探し出したり、
製品チームでも同じような新規開発が行われたりしています。

大切なのは、社内のどこからでも
アイデアが生まれるプロセスを用意しておくことです。

アドビで言えば、
キックボックスのような起業家のようなアプローチ。
ラボのようなカッティングエッジな技術チームによる新規開発。
もう一つが製品開発チーム。

アイデアは、そこかしこで生まれます。
一方、アイデアがあっても、それを見つけ出す道筋がなければ、
そのアイデアはないも同然です。

それをなくす一つの方法がキックボックスというわけです。

キックボックスはイノベーションを作るのではなく、
イノベーターを作るためのものです。

失敗を回避するのではなく、失敗に慣れること、

新しいことを実践すること、

リスクを受け入れること、そこから学ぶこと、

こういったことが習慣になれば、
今までトライしなかったことにもトライするようになる。

そのようなイノベーターが
社内にたくさん生まれることが重要だったということです。

大切なのは、どう失敗するのか。
そして、そこから何を学ぶのか、です。

早い段階で失敗することは良いことです。
それによって後の大きな失敗を回避できるし、
すべての小さな失敗に小さなブレイクスルーがあるはずなのです。

だから、小さな失敗はどんどんしてほしい。

クリエイティブ(創造性があること)の反対は、
「フィア(恐れること)」だと思っているそうです。

失敗することを恐れれば、クリエイティブなアイデアは生まれない。
そういう意味で、「恐れ」はクリエイティブの最大の敵です。

キックボックスは、
コストと時間をかけたあげく、危機的な失敗をするのではなく、
より早く小さな失敗をたくさんすることと位置付けています。

「失敗は学習だ」という新しい概念を、
アドビでは植え付けられたようです。

なかなか挑戦しづらいと感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、
何かのヒントにしていただけたら嬉しいです。

米国ベンチャー「睡眠ガジェット」日本人に謎の人気

「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、
さんは、ぐっすり眠れていますか。
それとも、不眠に悩まされていますか。

全国の20歳から79歳の男女7,827名を対象に、
不眠に関する意識と実態を明らかにするための調査が実施されました。

調査によると、日本の成人3人のうち1人が、「寝つきが悪い」
「睡眠中に何度も目が覚める」「朝早くに目が覚める」など
何らかの不眠症状に悩んでいると言われています。

国際的な不眠症判定法「アテネ不眠尺度」によると、
調査対象者の約4割(38.1%)が「不眠症の疑いがある」、
約2割(18.4%)が「不眠症の疑いが少しある」と判定されました。

と、いうことで
今日の話題は、米国ベンチャーの開発した「睡眠ガジェット」です。

アメリカでは、毎年3月中旬にテキサス州オースティンで
「South by Southwest(サウス・バイ・サウスウエスト、SXSW)」が開催されます。
音楽と映画、最新技術の複合イベントで、展示会をはじめ
セミナー、ライブ、上映会、コンテストなど数千もの催しが行われ、
80カ国以上から8万人以上もの来場者を集める人気イベントです。

今回はそのなかでも、世界の最新技術とベンチャー企業が集まる
「インタラクティブ」部門で、
驚くようなアイデアを提示する海外の注目ベンチャーをご紹介します。

SXSW期間中は、ベンチャー企業が中心となり、
ビジネスアイデアや展開プランなどの優劣をプレゼンで争います。
そのなかでも注目度の高いコンテストの1つ、「ReleaseIt(リリースイット)」で
今年優勝を果たしたのが、米国のベンチャー、Inteliclinic(インテリクリニック)社の「NeuroOn(ニューロオン)」です。

ニューロオンは、睡眠リズムの改善を目指すアイマスク型のガジェットです。

今年から製品の本格出荷を予定しており、
現在は予約受付中(一部出荷を開始)の段階です。

https://www.rakunew.com/items/65089-Neuroon

ポーランド人の創業者らがサンフランシスコで立ち上げ、
日本語のウェブサイトは簡単なものしか用意していないにもかかわらず、
注文は、実に7割が日本の消費者が占めているという、
極めてユニークなベンチャーです。

SXSWが、大型のコンテストで優勝できた理由は何か。
そして、創業者たちも驚くほど日本で人気を集めている理由は何か。

ノンレム睡眠とレム睡眠の長さを調べ、睡眠の質の改善につなげようとする、
いわゆるスリープトラッキング機能は、日本でも多くの
ウエアラブル機器が採用しています。

ニューロオンにも同様の機能は備わっているのですが、
こちらが中心に据えるのは睡眠「リズム」の改善です。

例えば、夜型の勤務が続き、深夜は活発になるがなかなか寝付けず、
朝は起きるのが非常につらい、という経験がある人は多いでしょう。
もっと分かりやすいのは、海外旅行の際の時差ぼけ。

昼と夜が急激に入れ替わり、その影響で強烈な眠気に襲われる。
これらは、体内時計が実際の時間とずれてしまっていることが原因です。

ニューロオンは、こうした体内時計のずれを修正し、
ユーザーの望む睡眠サイクルを作り出すことを目標としているのです。

では、具体的に、どのように睡眠のリズムを変えるのでしょうか。

秘密は、アイマスク内部のLEDにあります。
ニューロオンの機能の1つ、バイオリズム・アジャスター機能では、
ちょうど両目に当たる位置に埋め込まれた強力な青色LEDが、
5秒に1回のペースで発光します。
光の力で、強制的に体内時計を調整するのです。

国内でも、朝方になると徐々に明るくなるLED照明は売られていますが、
なぜ5秒に1回の点滅なのか。

実は欧米でのさまざまな研究により、
点灯し続ける光よりも点滅する光のほうが、
体内時計を調整する効果が高いことが分かってきているのです。

インテリクリニックの創業チームは、この点滅する光の効果に着目し、
睡眠ガジェットとしての新たな差別化要素を作り出したのです。

実は、13年に米国のKickstarterでクラウドファンディングを実施した際は、
他のスリープトラッカーと同様、レム睡眠、ノンレム睡眠の
分析を基にした機能を前面に出していたが、
クラウドファンディングを進めるなかで、
睡眠の研究者からさまざまな反応があり、
機能や方向性についていくつか具体的な提案を受けたそうです。

これを受けて、インテリクリニックはニューロオンの方向性を転換し、
「睡眠のリズムを変える」という、
よりアクティブな機能を前面に出すことにしました。

実際にどれだけ睡眠リズムを変える効果があるかは、
同社が行っている実証実験の結果やユーザーからのフィードバックが
出そろってみないと見えにくいです。

とはいえ、昨年には、デトロイトの大型病院であるヘンリー・フォード病院で、
シフト勤務者を対象とした睡眠リズム改善の実証実験を開始しています。

また、各国の航空会社とも共同研究や試験的な導入の話し合いを進めており、
そのなかには全日空(ANA)も含まれているそうです。
現在、医療をはじめ、関係する業界からの注目度は非常に高いのです。

加えて、CEOのアダムチェック氏はワルシャワ医科大学出身で、
大学時代から睡眠の研究に携わってきた人です。
その知見を生かして、ニューロオンはユーザーの動きや心拍に加え、
脳波も利用してノンレム睡眠、レム睡眠を分析しています。

ニューロオンは、スリープトラッカーとしても、
技術的に一歩進んだ製品なのです。
こうした点も、医療関係者から信頼を集める理由の一つになっているんですね。

実は、現在はまだ予約段階です。
なぜ日本で人気を獲得しているのかは、
インテリクリニック社もよく分からないそうです。

しかし、日本人の労働時間が世界的に見ても長く、
睡眠に悩みを抱える消費者が多いことは、
市場調査から把握しているので勝算はあると感じています。

日本で通信機器を販売するためには、技術基準適合証明(技適)が
必要ですが、すでに1月に取得済で、
今後は、日本でのクラウドファンディングや
他社と協力しての販売体制の構築を検討している段階まで来ています。

もうしばらくすると、さんの周りでもニューロオンを手に入れて、
快適に毎日を過ごす人が増えているかもしれませんね。

夢も仕事も恋愛も手が届かない 韓国「七放世代」の絶望

年末年始の嬉しい話題としては、
お隣の韓国と、慰安婦の問題に解決の兆しが見え始めたことです。
今後は、少しずつ仲良くなって行けるといいですね。

今回は、そんな韓国の話題です。
他国の話題と思わずに、読んでいただけたらと思います。

日本でも若年層の就職難が起こっています。

数字的には求人率の数字も、雇用の数字も上がっては来ていますが、
その実態は決して楽観視できる内容ではないのです。

韓国では、まず一流大学に入るために親が必死になっているという報道を
聞かれたことはあると思います。
そして、大学入学という最初の関門を通過しても、
大学卒業後、何年にもわたって就活を継続する若者が多くいます。

彼らは経済的に困窮し、
「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の
7つを諦めざるを得ない「七放世代」とよばれています。

この背景には中小企業と大企業の収入格差があるからです。
生涯収入では2倍以上の収入格差が存在するため、
若者は大企業に殺到し、結果的に多くの就職浪人を生んでいます。

彼らの声は、
「結婚は33、4歳くらいまでにしたい。出産も40歳前にはしたい。
親孝行もしたい。でもその前に働かないと…。
とても、焦りを感じています。
新卒は毎年生まれていてライバルはどんどん増えていくんです。
自分は歳をとっていくばかりですから」

今回は、ある一人の女性の実態をもとにお話を進めますね。

出版業界を志望している女性Nさん(27)は、
大学卒業後、就職活動を5年続けています。

ここ2年間で大手出版社を中心に50社以上に応募しましたが、
ほとんど書類選考で落とされ、面接まで進めたのは3件で、
現在はアルバイトで貯めた貯金を切り崩してなんとか生活しています。

こうした就職浪人は韓国では珍しいことではありません。

韓国統計庁によると、2015年の国内失業率は4.6%ですが、
青年層(15〜29歳)では10.0%と際立って悪いのです。

韓国では毎年40万人の大卒者が就職活動を行いますが、
彼らの多くはサムスンやLG、現代自動車などの
財閥系大手企業を志望します。

しかし、大手企業は国際化しているため、国内での採用を減らしており、
国内での採用予定数は年間11万人程度にとどまります。
狭き門に学生が殺到する一方で、
中小企業では人材不足にあえいでいるという現状もあります。

この現象は、日本と似ていますね。

こうした企業間による“格差”を生んでいるのは給与です。
財閥系大手企業の正社員の年収に比べ、
中小企業だと正社員でもその6割以下、
パートやアルバイトなどの非正規雇用だと4割以下になるそうです。

この格差は、年齢が上がることに大きくなるため、
生涯年収においては2倍以上の差が生じるのです。
大学卒業後の最初のキャリアに大企業を選ぶのは
韓国の大学生にとっては当たり前のことなのです。

中小企業には、将来性は大手企業に負けないくらい見込みがあっても、
それに見合う対価が得られないので、学生たちは中小企業を避けます。

また、両親からの期待を意識して大企業を選ぶ学生も多くいます。

韓国では儒教思想の影響が強いため、
若い世代でも大企業に入って親孝行をするべきだというのが
一般的な若者の考え方なのです。

Nさんは就職浪人していることを、父親には言い出せずにいます。
大学にまで行かせてくれた父をがっかりさせたくないからです。

就職活動が長引くのは、日本と異なる独特の事情もあります。
例えば、韓国の就活事情は学歴の他に、「スペック」が重要視されます。

「スペック」とは学歴とは異なる実践的な技能を証明するための
「実績」のことです。
就活生は資格やボランティア活動、語学試験のスコアなどの
スペックを競うように集めていきます。
近年では、大学在学中に職務に役立つ経験を積むため、
わざと留年する学生も増えてきているといいます。

Nさんは、ソウル市内の有名私立大学で行政学を専攻し、
副専攻として自分が興味のあった服飾デザインを学びました。

TOEICは600点前後と語学能力がないわけではありませんが、
韓国ではTOEIC900点の「スペック」保有者がゴロゴロいるので、
600点程度では見劣りしてしまうのです。

就職活動が長引くもう一つの理由は、

韓国の企業は日本と違い、
新卒一括採用にこだわりがあるわけではありません。
そのため、就職に時間をかけることが採用の段階で
不利になることはありません。
そのため就職活動が長期化してしまいます。

企業も自前で人材を育てるより、
資格や経験の上で即戦力になる人材を採用する傾向があるため、
大学卒業後すぐの就職は不利という見方さえあります。

実際、留年して先延ばしにした大学在籍期間をうまく利用して、
希望通り大手企業への就職を決める学生も少なくありません。
だが、就職活動が長期化すると、経済的に厳しくなるのも事実です。

Nさんは、卒業後はアルバイトや研修生として得た報酬の貯金を
切り崩しながら活動しています。

現在、27歳のNさん、まだ夢は諦めていません。

だが、現実はシビアです。

Nさんは言います。
「友達と会って交流することはやめてしまいました。
昔はほぼ毎日会っていたし、今でもとても会いたいけれど、
当面はその時間や労力を就職活動に使いたい」。

なんとか就職先を決めようと必死なのです。

「就職のために恋愛を諦めたわけではないのに、
就職準備に時間と気持ちを取られている間に、
いつの間にか、いろいろなことを諦めてしまう。
結婚も、就職して落ち着いてからと考えていたら
どんどん遅くなってしまう傾向にありますが、
結婚を諦めているわけではありません。」

財閥系と中小の企業間格差の大きさと
儒教的な価値観の根強い韓国の事情が
苦境に立たされる若者を生んでいますが、
Nさんの就職活動の出口はまだ見えていません。

韓国では就職活動に失敗し、貧困状態にある若者たちが急増しています。

彼らは「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の
7つを諦めた(=手放した)ことから「七放世代」と呼ばれています。

日本の若者たちが、こう呼ばれないようにするために、
我々ができることは何でしょうか。

日本人が考えたこともない児童婚の現状

パリでの同時テロ!
このニュースを最初に聞いた時には、身体中に戦慄が走りました。

終末の愉しい時間帯に、突然襲われた人々、
亡くなられた方は、突然人生を終わりにされてしまい、
残された家族、友人の怒りと悲しみは、言葉では言い表せないことでしょう。

なぜ、こんな理不尽なことが起こるのでしょうか。
どうして、憎みあい争うのでしょうか。

やりきれない想いでいっぱいです。

今回のお話も、やりきれないものがあります。
でも、こちらの問題は、他の国々が手を差し伸べていくことで、
時間はかかりますが、解決していける問題だと思います。

さんは、児童婚という言葉を聞いたことがありますか。

日本でも、昔は「親同士が決めた許嫁(いいなずけ)」というものがありましたが、
主旨は児童婚とは全く違っています。

現在の日本では、法律で婚姻の年齢が定められ、守られています。
それに、そもそも児童婚ということ自体考えられないことですが、
発展途上国の多くでは、まだ現実として存在しているのです。

身近な話題ではありませんが、少し関心をもって頂く機会になればと
思いますので、お付き合いください。

インドの大学生、サンタデビ・メグワルさん(20)は、
脅され、嫌がらせを受け、村八分にされ、
長老らによって罰金の支払いまで命じられました。

生まれて間もなく決められた児童婚を拒否していたのがその理由です。

砂漠が広がるインド北西部のラジャスタン州に生まれたメグワルさんは、
長老らの一存により、生後11か月で近隣の村に住む
9歳の少年と結婚させられました。

自分の「夫」の姿をメグワルさんが最初に目にしたのは16歳の時。
メグワルさんがまだ幼児だった時に開かれた「結婚式」に
親族が出席したという友人が指さしたのは、
学校の外で酔って悪態をついていた男でした。

メグワルさんは、17歳になったら夫と同居する取り決めになっていました。
しかしこれを断固拒否すると、激怒した長老会議は
メグワルさんとその家族が村の行事などに参加できないようにし、
父親に、到底支払えないような額の罰金を科したのです。

インドで、この風習が特に強く残っているのが、
人気の観光地となっているラジャスタン州です。
同州では各村で、同じカーストに属する男性らが組織する
強力な政治力を持つ長老会議が、
社会生活や道徳観においても強大な力を誇っています。

児童婚は違法であるにもかかわらず、
主に貧しい農村部の風習として深く根付いており、
数百万人もの人が幼少時に結婚させられているといいます。

しかし、少数ではありますが、児童婚という制度に抵抗し、
メグワルさんのように、古くからの伝統である児童婚に応じない女性が
少ないながらも着実に増えているそうです。
地元の非政府組織(NGO)や政府による摘発の後押しを受け、
一度も同意した覚えのない婚姻の無効確認を求める若者が出てきているのです。

次に、バングラデシュの現状です。

バングラデシュでは1929年から児童婚を法律で禁じており、
80年代に婚姻最低年齢は女性が18歳以上、男性が21歳以上と定められました。

にもかかわらず、同国はニジェール、中央アフリカ共和国、チャドに続き
世界で4番目に18歳未満の児童婚率が高い国で、
実に少女の65%が18歳未満で結婚しています。

さらに、ユニセフの研究によると、バングラデシュは
15歳未満の少女の児童婚率が世界でもっとも高く、
少女の29%が15歳になる前に結婚するといわれています。
11歳になる前に結婚する少女も2%いるそうです。

原因の一つとして、自然災害に対して著しくぜい弱な同国では、
被害を受けて貧困状態に陥った家庭のなかで、
娘を結婚させるという決定に拍車がかかることも多々あるようです。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが実施した村単位の調査報告書があります。
この報告書の中からいくつか抜粋してみます。

本報告書は、バングラデシュ全土で聞き取り調査をし、
それを基に、同国での児童婚が盛んな要因を調査・検証したものです。
調査対象の大半は既婚の少女たちで、
中には10歳という若さの少女もいたそうです。

報告書のタイトルは、なんと、「家が流される前に結婚してしまいなさい」です。

•子どもを扶養できない、または教育費を捻出できない親は、
娘が食べていけるようにという単純な理由で結婚先を探すことがある。

•教育自体は無償でも、試験の費用や制服、学用品ほかの費用を払えないことから、
貧困家庭の少女は教育へ道を絶たれている。

•学業を断念した少女たちの多くは親によって結婚させられている。

•未婚の少女に対する性的嫌がらせと、それを阻止しない警察の不作為もまた、
児童婚のまん延に繋がっている。

•広く一般的である持参金の慣例(若い少女の持参金は少なくてすむ)
を含む社会的圧力および伝統により、児童婚は一部のコミュニティで
容認されているだけではなく、期待すらされている。

などなど・・・

児童婚が少女およびその家族の人生に及ぼす悪影響についても、
中等教育の断念や早期妊娠による死といった重大な健康被害、
扶養放棄、夫および義理家族による家庭内暴力などに注目し、
詳述されています。

本報告書により、
自然災害も児童婚問題の一環であることが明らかになりました。

バングラデシュは、世界でもっとも自然災害および気候変動の
影響をうけている国のひとつです。
そのため多くの家庭が更なる貧困に追いやられ、
まだ子どもである娘が結婚させられるリスクも高まります。

災害をきっかけに、あるいはそれを見越して、
年若い娘を早く結婚させねばならない圧力を感じる、と話す家庭も多く、
この傾向は特に、河川の侵食からじわじわと起こる
家や土地の喪失に直面している家庭に顕著のようです。

女性の権利局の上級調査員ヘザー・バーは、
政府の児童婚に対する不作為は、バングラデシュのもっとも貴重な
宝のひとつである若き女性たちに、大変な危害を及ぼしている。
政府は児童婚を禁止する自らの法律を施行すべきだ、と訴えています。

一方、地方政府関係者の多くもまた、当該危機に直面する少女たちを
裏切っていると言います。
バングラデシュ国内法で18歳未満の少女の結婚は違法であるとの
認識は広まりつつあるのですが、
地方政府関係者が児童婚の促進に力をかしており、
この認識が台無しになっている現状があります。

どういうことかというと、
政府関係者が少女の年齢を18歳以上とする、偽の出生証明書を、
わずか1.30米ドルほどの賄賂で発行していると、多くの人々が証言しています。
仮に、地元政府が児童婚を阻止した場合でも、
別の管轄区で容易に結婚できてしまうということなのです。

バングラデシュは、女性の権利も含め、
開発の成功物語として語られることもありました。

国連はバングラデシュが1991〜92年には56.7%だった貧困率を
2010年には31.5%に減少させたことを「素晴らしい」と評しています。

また、初等および中等教育における在校率も男女差がなくなり、
妊産婦の死亡率も2001年からの10年間に40%減少、
こうして、開発上のゴール達成において一定の成功をおさめている国にもかかわらず、
なぜ児童婚率が世界最悪レベルのままなのか、疑問が残ります。

バングラデシュは、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、
女子差別撤廃条約、そして子どもの権利条約の加盟国として、
少女と女性の権利を保障する義務を負っているはずです。

差別からの自由の権利、得られるもっとも高い水準の保健・教育への権利、
自由かつ全面的な同意のもとの結婚への権利、配偶者を選ぶ権利、
そして肉体的・精神的・性的暴力からの自由の権利などが含まれます。

政府は、次世代の少女たちの人生が台なしになってしまう前に
早急に手を打つべきではないでしょうか。

夢物語と思われた自動運転車が実現

夢物語と思われた自動運転車が、現実になる日が見えてきたようです。

トヨタ自動車も、日産自動車も開発に力を入れており、
トヨタ自動車は、2020年ごろに高速道路での合流や追い越し、
車線変更を自動でこなす車を発売すると発表しました。

日産自動車も20年までに自動運転車の実用化を目指しています。

米国ではグーグル、ゼネラル・モーターズ(GM)が市販をにらみ、
アップルも参入を表明しています。
GMと提携するホンダは、両社の共同開発を
自動運転の中核技術にも拡大するよう検討中です。

では、具体的にどのように進んでいるかというと、
トヨタが今回公開した自動運転車には、
前方に据え付けた「目」となるカメラのほか、
車体周囲に赤外線を発するレーザーレーダーなどが配置されており、
周囲の状況をリアルタイムで把握するというものです。

収集したデータを人工知能が分析して、
過去の走行データと照らし合わせ、合流や車線変更の可否を判断します。

トヨタは従来、自動運転車の製品化には慎重だったのですが、
技術的なハードルの低い高速道路をまず手始めとし、
一般道用まで含めた実用化を目指します。

トヨタが6日に公開した東京の首都高速道路でのデモンストレーション走行に、
同乗した記者のレポートからその実力を見てみましょう。

以下、記事から抜粋します。

『「オートドライブモードを開始します」。
ナビゲーションの案内と共にドライバーがハンドルから手を離した。

あっと驚く間もなく「合流車両に注意してください」とナビがいうと、
車は合流車線で加速し、すっと本線に入った。
合流先の車の動きをセンサーが捉え、最適な速度に調整したのだという。

しばらく左車線を走行していると、前方にミニバンの後ろ姿が迫ってきた。
「低速車両を追い越します」と、ナビの声。

それと共に、車が自動で追い越し車線にすっと移って加速した。
制限速度で安全にミニバンを追い越すと、再び左の走行車線に戻った。

動きは極めてスムーズだ。』

と、いうことです。

すごいですね~。

トヨタ以外の他社はどんな計画かというと、

日産自動車は、16年に高速道路の一定の車線に限定した自動運転車を
日本で発売し、20年には市街地対応も視野に入れて開発を進めます。

富士重工業は10月29日から開幕する東京モーターショーで、
自動運転機能を備えた多目的スポーツ車のコンセプト車を披露する予定です。

※東京モーターショー2015 http://www.tokyo-motorshow.com/

さらに、2020年といえば、東京オリンピックがありますが、
政府も20年の東京五輪をにらみ、
官民一体で自動運転車の育成を進める構えのようです。

各社を後押しするだけでなく。

2016年初めから、運転手が乗らずに目的地まで乗客を運ぶ
自動運転タクシーの実証実験を始めるそうです。

2016年というと、来年ですが、そこまで来ているの?というのが、
私の正直な気持ちなのですが、

自動運転タクシーの事業化を目指すディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社、
ロボットタクシー(東京・渋谷)が参加し、
神奈川県藤沢市で実証試験を始めるということです。

同市では、モニターとして参加する約50人の住民を住宅周辺から乗せて、
約3キロの幹線道路を通りスーパーまで走る、という計画です。

ただ、事故の責任をどう判断するかといった法整備やハッカー対策など、
自動運転車の実用化に向けては課題もたくさん残っているのも事実です。

警察庁は、ドライバーがおらずハンドルもない自動運転車が
事故を起こした場合の責任の所在などについて法的検討を始めます。

メーカーが公道で自動運転車の実証実験が幅広くできるよう
来年度中に指針も作成するということですが、進捗状況については
報道を見守っていきたいと思います。

次の問題として、運転免許やハッカー対策がありますが、

道路交通法はドライバーがいることを前提に定められています。
加速やブレーキなどが自動化された場合も、
現行の運転免許制度を適用するのが妥当かどうか、
さらには、誰の免許なのかという議論も必要になりますよね。

サイバー攻撃のセキュリティー対策も不可欠になります。
自動運転車は緊急の車両通行止めや渋滞などの
交通情報データなどを外部から受信する仕組みです。
そのため、ハッカーによるプログラムの不正操作などが懸念されています。

いわゆる、「車の乗っ取り」みたいなものです。

アメリカのドラマを見るような気分です。

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