オバマ政権下の大胆な金融緩和が株高を呼び、高額消費が動き始めたようです。

新興国景気の先行きはまだ不透明なので、
2013年度は製造業の米国依存が強まりそうだと、日経新聞では予測しています。

ヤマハ発動機は、前期、稼ぎ頭の2輪車事業がインドネシアなどで急減速し、
連結営業利益が前期比65%減の185億円まで沈みました。

インドネシアで急減速した理由は、2輪車のローン頭金規制が導入されたことで、
非常に購入がしにくくなったためです。

新中期経営計画が始まる今期、柳社長が新たな稼ぎ頭に据えたのがマリン事業で、
今期の営業利益500億円の半分近くを稼ぐ計画だそうです。

 

マイアミで2月に世界最大規模のレジャーボートの見本市、
「マイアミ・インターナショナル・ボートショー」が開催されました。

ヤマハ発動機は2輪車というイメージが強いですが、
レジャーボートなどに載せる船外機では約4割の世界シェアを誇っており、
マリン事業も強いのです。

最大市場の米国で景気回復が続き、1000万円以上する大型レジャーボートの
販売も好調なことから、米国の高額消費に復活を託しています。

 

ヤマハ発動機は船舶制御システム「ヘルム・マスター」を
マイアミのボートショーの目玉に据えました。

複数の船外機を載せる全長10m前後の大型ボートが対象で、
各船外機の出力やプロペラの向きなどを電子制御できるというものです。

着岸時の横移動など難しい操作をレバー1本でできるようにしました。
ボートは一般的に大きいほど操作が難しいのですが、
このシステムがあれば非常に操作がしやすくなるそうです。

ボートショーでの反響は大きく、「ヘルム・マスターの今年の受注計画を
当初の2倍に引き上げた」(木村隆昭専務談)とのこと。
より大型のボートへの買い替えを促し、
高単価で利益率の高い大型船外機を売る強気の戦略です。

 

米国の景気復活に期待するのはヤマハ発動機だけではありません。

次は2013年3月期に5期ぶりの最終黒字を達成したと見られるマツダです。

同社の最高額車種であるSUV(多目的スポーツ車)「CX-9」の改良車を
全世界に先駆けて昨年11月に北米で投入しました。

価格は3万~3万5000ドル(約300万~340万円)と高めですが、
斬新なデザインと前方衝突回避などの安全技術が評価され、販売は好調です。

今年1月には主力SUV「CX-5」で排気量2500CCの上位車種も発売。
高額車種の比率を高めて利益を伸ばす計画です。

米国の新車販売は2月まで4カ月連続で伸びており、
年率換算にすると1500万台の大台を超えました。

その他にも、米国で好調の富士重工業は2013年3月期の営業利益が
初めて1000億円を突破したもようです。

ブリヂストンは米国などでのタイヤ値上げが浸透し、
純利益額で仏ミシュランを超えました。

 

新興国は市場の伸びこそ高いのですが、
一方では安値競争が年々厳しくなっているのも現状です。

 

初めに書いたように、インドネシアでは2輪車のローン頭金規制が導入されたことで、
ヤマハ発動機の業績を直撃したように、政治リスクもまだまだ大きいです。

これに対し、米国は確実かつ安定的に利益が見込める市場と言えます。

米国経済は昨年末、大型減税の失効などで景気が下降する「財政の崖」が
懸念されましたが、オバマ政権は低・中間層の所得減税延長などの
財政出動で回避に動きました。

この間、米連邦準備理事会(FRB)の大胆な金融緩和が株価を押し上げ、
これが資産効果となって消費を下支えしています。

この一部がレジャーボートなど高額消費に向かっているわけです。

 

アメリカは、今後は、シェールガス開発の加速に伴う設備投資の増加が
景気をさらに底上げしそうです。

 財政出動、金融緩和、成長戦略と3つの柱が揃い、
「アベノミクス」ならぬ「オバマノミクス」が米国の成長を支える構図です。

今年半ばには財政の崖への懸念が完全に払拭され、
後半は成長に弾みがつくとの見方は多いようです。

 

リーマンショックで日本の製造業の主戦場は新興国にシフトしましたが、
2013年度は米国への回帰が加速しそうだと記者は語っています。

米国経済復活のカギを握るのが、長く疲弊し続けた米国製造業の復活です。

米国のGDP(国内総生産)に占める製造業のシェアは
1割程度にまで落ち込んでしまったものの、「シェールガス革命」によって
燃料・原料の調達コストが大幅に下落しており
かつての競争力を取り戻そうとしています。

シェール革命で、米国は今後10年以内に世界最大の石油・ガス生産国になる見通しです。

エネルギーに限らず、シェール革命が生む様々な変化を収益にいかに取り込めるかが、
日本企業の命運を左右しています。

頑張れ NIPPON!