未来を描いたSF映画をご覧になったこととはありますか。

10年も20年も昔に見た、SF映画やアニメに出てきたようなものが
最近、形になって出てきているように感じるのは私だけでしょうか。

車、日常使う電化製品、その他あらゆるものに
人間の知恵と技能が発揮されているように思います。

平和利用のために作られたと信じて、
面白い商品がお目見えしそうなのでご紹介したいと思います。

一つ目は、
「カメラで食材を識別して、適切な温度と調理時間を自動設定するオーブン」

二つ目は
「ユーザーを追いかけながら撮影するカメラ搭載ドローン」 

米国では最近、このような未来を感じさせる商品の予約販売が
起業したばかりの会社から次々と始まっています。

サンフランシスコに拠点を置く米Juneは
2015年6月9日(米国時間)に画期的なオーブンの予約販売を開始しました。

温度や調理時間をコンピュータが自動設定するというオーブンです。

名前は「June Intelligent Oven」(「高い知能を持ったオーブン」という意味)。
価格は1495ドル(約18~19万円)で、2016年春に出荷を開始する予定。

June Intelligent Ovenは、
カーボンファイバー製の電熱線を備えただけの単純な「オーブン」です。
調理方法としては「焼く」と「温める」しかできません。

日本で普及している「オーブンレンジ」のように、
電子レンジの機能を備えているわけではないのです。

その代わりに、食材や料理を識別するための
HDカメラ、重量計、温度計などの様々なカメラ/センサーを搭載しています。

調理に際してユーザーが行うのは、
食材をオーブンに入れることだけ。

カメラや重量計が、食材や料理の種類や重量を自動判別し、
コンピュータが最適な温度や調理時間を自動設定してくれます。

オーブン内蔵の温度計は、肉などの食材に突き刺して
内部の温度を計測します。

肉の内部の温度を測りながら火加減を調整するため、
生焼けや焼き過ぎを防ぎ、
ユーザーの好みの焼き加減に調理してくれるそうです。

さらに、June は、WiFi機能を備えており、
庫内のカメラが撮影する画像をインターネット経由で
スマートフォンから閲覧できるのです。

コンピュータによる自動調理が信用できない場合は、
スマートフォンを使って、いつでも焼き加減を確認できるという
仕組みだということです。

Juneの共同創業者、CEO(最高経営責任者)と
CTO(最高技術責任者)は、AppleやSNSの米Pathで
キャリアを積んだソフトウエアエンジニアです。

ソフトの力によって革新的なオーブンが実現可能になると考え、
市場参入を図りました。
既存の白物家電メーカーにとって、
全く新しいタイプの競合が現れたということですね。

もう一つは、「ユーザーを追いかけるドローンカメラ」です。

Lily Roboticsという会社は、
カリフォルニア州立大学バークレー校の二人が2013年に起業しました。

5月11日(米国時間)にドローンカメラ「Lily」の予約販売を開始しました。

予約価格は当初499ドルでしたが、現在は599ドルになっているそうです。
2016年2月から出荷を開始する予定で、
発売後の価格は999ドル(約12万円)になるとのこと。

Lilyはいわゆる「自撮り(英語ではSelfy)」をするためのドローンカメラです。
ただし、単にドローンにカメラがついただけではありません。

なんと、
ユーザーはLilyを空に向かって放り投げるだけ。

後はLilyがユーザーを追いかけ続けて撮影してくれるのです。

Lilyは二つの方法でユーザーを見つけ出します。

一つはカメラを使った画像認識。
もう一つは、ユーザーが装着する「トラッキングデバイス」との通信です。

ユーザーが装着するトラッキングデバイスは、
ユーザーを見つけ出すための電波をLilyに向けて発信します。

さらに興味深いのは、Lilyはユーザーの背中を追いかけるだけでなく、
ユーザーの周囲を旋回して飛行もするので、
ユーザーの全方位の写真を撮影することも可能だそうです。

また、ユーザーがあらかじめスマートフォンのアプリケーションから
Lilyの飛行経路を設定しておくこともできるそうです。
そして、LilyはGPSセンサーを使って、
ユーザーが設定した経路に沿って飛行するというものです。

すごいですよね。
スキーで斜面を滑り降りているところや、
サーフィンを楽しんでいるところなどが真近で撮れるんですから・・・。

Lilyは、とてもコンパクトなんです。

幅と奥行きが共に26.1センチメートル、
高さが8.18センチメートルという大きさで、重量は1.3キログラム。
掌にのる大きさです。

バッテリーによって連続20分の飛行が可能で、
安全を考慮して、Lilyが飛行する最大高度は15メートル、
最小高度は1.75mに制限しています。

June とLilyの共通点は、
カメラを使った画像認識を駆使している点です。

カメラを搭載するスマートフォンが爆発的に普及することで、
カメラ用の画像センサーの価格は大幅に低下しており、
若い技術者が、資金の乏しいスタートアップであっても、
高性能なカメラを搭載する製品を開発することが容易になりました。

コンピュータによる画像認識の精度は近年、大幅に向上しており、
今後も、高度な画像認識を駆使することで、
今までに無かったような製品を開発し、次々と登場してきそうです。

次は、何が登場するのか、とても楽しみですね。