後開発途上国から抜け出そうとしているミャンマー

「ビルマの竪琴」という映画をご存じですか。
1956年と1985年の2回映画化されていますが、その舞台となったのが、
今のミャンマーです。
日本と深く関わってきたこともあり、年配の方で日本語を話せる人もいるそうです。
1988年に国軍が政権を掌握してからは、国際的に様々な軋轢を生んできました。
そのせいで、東アジアの中でも大きく出遅れた感があります。
2011年3月の民生移管で新政権が発足し、「ミャンマー連邦共和国」と定められ、
大きく変わろうとしています。
人口は5882万人で、90%が仏教徒です。
ビルマ族が約70%を占めていますが、国内には135の民族がいるそうです。
昨年と今年を比べると、街中の風景も、ものすごい変化があると
ミャンマーを訪問した人は語ってくれました。
大きな変化として、裸足で過ごしていた人が靴を履くようになっていた。
街には、新車のレクサスやランドクルーザーが走っている。
富裕層はますます超富裕層になり、格差がいちだんと広がっているようです。
それは、税のしくみが不完全なためと言われています。
貧しい人は、汚れた川のそばでバラックに住み、
10代の女の子が裸でその川で入浴している姿がある一方、
その横を高級車が走るという光景は日常的なものだそうです。
そして、普通は、20円から30円程度のチャーハンのような料理が、
富裕層向けの店では450円で売られているという現実・・・。
また、仏教の国ですから、男性は人生で3回お坊さんになる(得度する)そうです。
頭には神が宿るからと言われているから、子どもの頭をなぜてはいけない。
お坊さんにふれてもいけない・・・ などなど厳しい習慣もあります。
さて、今回は、ビジネス的な視点でこの国を見ましょう。
ミャンマーに対する外国からの直接投資額は、2010年度に約200億ドル。
前年度(約3億ドル)の66倍に急増しています。
主な投資国は中国、タイ、韓国などで、日本は2010年までの累計投資額では
中国の累計投資額の2%にも満たず、国別では13番目です。
日本企業の本格進出は数10社にとどまっています。
JETROの2011年の資料では、ミャンマーの一般的なワーカークラスの賃金は
月給41ドル、マネージャークラスで238ドルです。
それにも関わらず、ヤンゴン市内での消費力や商品の値段に驚かされます。
家族、親族意識が高い国民性から出稼ぎに行ったミャンマー人は家族の代表として働き、
その収入の多くを国内の家族に送金しています。
外貨を扱う認可を持つ銀行は昨年まで政府系2行だけで、
いわゆる地下送金を利用するケースも少なくないようです。
今後の動きとして、外貨取扱を民間11行に許可を与え、今年の4月末頃から
動き始めているようです。
そして、ローソンが年内に少なくとも1店舗、3年以内に100店舗を展開すると
発表しています。
ミャンマーは、まだまだインフラの整備が遅れているとは言うものの、
豊富な若い労働力、資源、物価の安さなど、企業にとっては大いに魅力がある国です。
ビジネスを考えた場合、うわべだけの視察ツアーに行っても観光旅行となんら
変わるものではなく、それぞれの生活、本当の物価などを見極めながら、
自社の身の丈に合ったビジネスを考えなければなりません。
1990年から数10回もミャンマーに行き、ミャンマーを知り尽くしている
プロの引率を中心にミッションを実施する予定です。
本気でビジネスを探したいと思われる方は、この機会に生のミャンマーを体験して下さい。
興味のある方はご連絡をお待ちしています。