パリでの同時テロ!
このニュースを最初に聞いた時には、身体中に戦慄が走りました。

終末の愉しい時間帯に、突然襲われた人々、
亡くなられた方は、突然人生を終わりにされてしまい、
残された家族、友人の怒りと悲しみは、言葉では言い表せないことでしょう。

なぜ、こんな理不尽なことが起こるのでしょうか。
どうして、憎みあい争うのでしょうか。

やりきれない想いでいっぱいです。

今回のお話も、やりきれないものがあります。
でも、こちらの問題は、他の国々が手を差し伸べていくことで、
時間はかかりますが、解決していける問題だと思います。

さんは、児童婚という言葉を聞いたことがありますか。

日本でも、昔は「親同士が決めた許嫁(いいなずけ)」というものがありましたが、
主旨は児童婚とは全く違っています。

現在の日本では、法律で婚姻の年齢が定められ、守られています。
それに、そもそも児童婚ということ自体考えられないことですが、
発展途上国の多くでは、まだ現実として存在しているのです。

身近な話題ではありませんが、少し関心をもって頂く機会になればと
思いますので、お付き合いください。

インドの大学生、サンタデビ・メグワルさん(20)は、
脅され、嫌がらせを受け、村八分にされ、
長老らによって罰金の支払いまで命じられました。

生まれて間もなく決められた児童婚を拒否していたのがその理由です。

砂漠が広がるインド北西部のラジャスタン州に生まれたメグワルさんは、
長老らの一存により、生後11か月で近隣の村に住む
9歳の少年と結婚させられました。

自分の「夫」の姿をメグワルさんが最初に目にしたのは16歳の時。
メグワルさんがまだ幼児だった時に開かれた「結婚式」に
親族が出席したという友人が指さしたのは、
学校の外で酔って悪態をついていた男でした。

メグワルさんは、17歳になったら夫と同居する取り決めになっていました。
しかしこれを断固拒否すると、激怒した長老会議は
メグワルさんとその家族が村の行事などに参加できないようにし、
父親に、到底支払えないような額の罰金を科したのです。

インドで、この風習が特に強く残っているのが、
人気の観光地となっているラジャスタン州です。
同州では各村で、同じカーストに属する男性らが組織する
強力な政治力を持つ長老会議が、
社会生活や道徳観においても強大な力を誇っています。

児童婚は違法であるにもかかわらず、
主に貧しい農村部の風習として深く根付いており、
数百万人もの人が幼少時に結婚させられているといいます。

しかし、少数ではありますが、児童婚という制度に抵抗し、
メグワルさんのように、古くからの伝統である児童婚に応じない女性が
少ないながらも着実に増えているそうです。
地元の非政府組織(NGO)や政府による摘発の後押しを受け、
一度も同意した覚えのない婚姻の無効確認を求める若者が出てきているのです。

次に、バングラデシュの現状です。

バングラデシュでは1929年から児童婚を法律で禁じており、
80年代に婚姻最低年齢は女性が18歳以上、男性が21歳以上と定められました。

にもかかわらず、同国はニジェール、中央アフリカ共和国、チャドに続き
世界で4番目に18歳未満の児童婚率が高い国で、
実に少女の65%が18歳未満で結婚しています。

さらに、ユニセフの研究によると、バングラデシュは
15歳未満の少女の児童婚率が世界でもっとも高く、
少女の29%が15歳になる前に結婚するといわれています。
11歳になる前に結婚する少女も2%いるそうです。

原因の一つとして、自然災害に対して著しくぜい弱な同国では、
被害を受けて貧困状態に陥った家庭のなかで、
娘を結婚させるという決定に拍車がかかることも多々あるようです。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが実施した村単位の調査報告書があります。
この報告書の中からいくつか抜粋してみます。

本報告書は、バングラデシュ全土で聞き取り調査をし、
それを基に、同国での児童婚が盛んな要因を調査・検証したものです。
調査対象の大半は既婚の少女たちで、
中には10歳という若さの少女もいたそうです。

報告書のタイトルは、なんと、「家が流される前に結婚してしまいなさい」です。

•子どもを扶養できない、または教育費を捻出できない親は、
娘が食べていけるようにという単純な理由で結婚先を探すことがある。

•教育自体は無償でも、試験の費用や制服、学用品ほかの費用を払えないことから、
貧困家庭の少女は教育へ道を絶たれている。

•学業を断念した少女たちの多くは親によって結婚させられている。

•未婚の少女に対する性的嫌がらせと、それを阻止しない警察の不作為もまた、
児童婚のまん延に繋がっている。

•広く一般的である持参金の慣例(若い少女の持参金は少なくてすむ)
を含む社会的圧力および伝統により、児童婚は一部のコミュニティで
容認されているだけではなく、期待すらされている。

などなど・・・

児童婚が少女およびその家族の人生に及ぼす悪影響についても、
中等教育の断念や早期妊娠による死といった重大な健康被害、
扶養放棄、夫および義理家族による家庭内暴力などに注目し、
詳述されています。

本報告書により、
自然災害も児童婚問題の一環であることが明らかになりました。

バングラデシュは、世界でもっとも自然災害および気候変動の
影響をうけている国のひとつです。
そのため多くの家庭が更なる貧困に追いやられ、
まだ子どもである娘が結婚させられるリスクも高まります。

災害をきっかけに、あるいはそれを見越して、
年若い娘を早く結婚させねばならない圧力を感じる、と話す家庭も多く、
この傾向は特に、河川の侵食からじわじわと起こる
家や土地の喪失に直面している家庭に顕著のようです。

女性の権利局の上級調査員ヘザー・バーは、
政府の児童婚に対する不作為は、バングラデシュのもっとも貴重な
宝のひとつである若き女性たちに、大変な危害を及ぼしている。
政府は児童婚を禁止する自らの法律を施行すべきだ、と訴えています。

一方、地方政府関係者の多くもまた、当該危機に直面する少女たちを
裏切っていると言います。
バングラデシュ国内法で18歳未満の少女の結婚は違法であるとの
認識は広まりつつあるのですが、
地方政府関係者が児童婚の促進に力をかしており、
この認識が台無しになっている現状があります。

どういうことかというと、
政府関係者が少女の年齢を18歳以上とする、偽の出生証明書を、
わずか1.30米ドルほどの賄賂で発行していると、多くの人々が証言しています。
仮に、地元政府が児童婚を阻止した場合でも、
別の管轄区で容易に結婚できてしまうということなのです。

バングラデシュは、女性の権利も含め、
開発の成功物語として語られることもありました。

国連はバングラデシュが1991〜92年には56.7%だった貧困率を
2010年には31.5%に減少させたことを「素晴らしい」と評しています。

また、初等および中等教育における在校率も男女差がなくなり、
妊産婦の死亡率も2001年からの10年間に40%減少、
こうして、開発上のゴール達成において一定の成功をおさめている国にもかかわらず、
なぜ児童婚率が世界最悪レベルのままなのか、疑問が残ります。

バングラデシュは、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、
女子差別撤廃条約、そして子どもの権利条約の加盟国として、
少女と女性の権利を保障する義務を負っているはずです。

差別からの自由の権利、得られるもっとも高い水準の保健・教育への権利、
自由かつ全面的な同意のもとの結婚への権利、配偶者を選ぶ権利、
そして肉体的・精神的・性的暴力からの自由の権利などが含まれます。

政府は、次世代の少女たちの人生が台なしになってしまう前に
早急に手を打つべきではないでしょうか。