最近のブータンとインドの税制&ビジネスツアーのご案内

「神戸から世界の風を!」通信の第2回でブータンの経済のお話をしましたね。
グローバル化の波と、国民に金銭感覚が乏しく消費熱が高まっているというような話でした。
それをちょうど物語るような内容がTVで放送されていましたので
続編ということでお伝えしますね。
ブータンでは、グローバル化の波が押し寄せており、
国民のほとんどが信仰している「チベット仏教」の教えである「足るを知る」という意識が、
国民の間で、特に若者の間で薄れていっているようです。
インターネットの普及で世界中のファッションや物が情報として入り、
若者は携帯電話を持ち、
伝統衣装の「キラ」を普段は着なくなっています。
インドとの交流により、首都では今風のお店もたくさんできて、買い物を楽しんでいます。
インドからの輸入が3倍に増え、首相が「消費を抑制しなさい」と、
テレビで異例の演説をしました。
消費熱の高まりで、国内のインドルピーが底をつき、不安を感じた国民が
銀行に殺到している姿もありました。
4月には車の輸入が禁止されました。
ガソリンも高騰しています。
なんと、クンチュク国王自らが車を使わず自転車で移動している映像が出ていましたよ。
一方、年配の人は今でもつつましい暮らしをし、文化を守っていますし、
人々は暖かく、美しい国であることは間違いありません。
ただ、幸せの捉え方にも変化があるようで、
昨年の「幸せの意識調査」では、ブータンは8位になってしまいました。
1位デンマーク、
2位スイス、
3位オーストリア、・・・ヨーロッパばかりですね。
日本は、90位です。
これって、みなさんはどう感じますか?
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海外の話題: インドにいなくても課税される?
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5月末に大統領がサインした2012年の改正財政法は、
インドに進出している日本企業にも影響を与えるものとなりました。
インドの税制は非常にこみ入っているし、私は税金のプロではないので、
簡単な例でお伝えします。
インドに関わっている中小企業はまだ少ないですが、インド経済の成長は
海外からの投資を抜きにしては考えられないので、気をつけてください。
“インド国内に存在する資本的資産の譲渡により…云々、
発生した利益は、直接、間接にかかわらず、インドで発生したとみなす”。
これが基本になっています。
この考え方を、近年の状況に当てはめて考えみると、
インドの国外にあるオフショアの企業が、
インドの中に事実上そのほとんどが存在する資産から、
直接、間接にかかわらず得たキャピタルアセットは、
インドに存在したとみなすことになるということです。
意味わかれへん・・・。
ですよねぇ。
例をすこし書きましょう。
ケース1
日本企業A社はシンガポールに子会社B社を持っている。
このB社は、インドにあるC 社の株式の過半数を保有している。
A社が、子会社B社の株式の売却を決めた場合、
この取引はインドに存在するアセットの間接的な移譲と考えられ、
シンガポール子会社の売却は、インドにおいてキャピタルゲイン課税の対象となります。
ケース2
日本の親会社A社がインドの現地子会社B社に商品の販売に対するコミッションを
支払ったり、技術の使用料や貸付に対する金利などを得たりしていた場合も対象です。
ケース3
日本企業A社は、インドのB社の株を保有している。A社がほかの日本企業C社に
B社の株を売却した場合、インドでのキャピタルゲイン課税の対象となる。
これは、A社とC社の両方が、インドに事務所、支店、子会社などを持っていなくても
対象となります。
このほか、今回の改正ではM&Aの契約の後に企業価値が上がったケースなど、
新しい概念での課税制度が導入されています。
インドに進出済みであったり、進出を考えていたりする日本企業にとって、
業績に大きな影響を及ぼしかねないということは理解しておかれた方がいいでしょう。
(「日経ビジネス」より)