米アップルやグーグル、アマゾン・ドット・コムなどの企業を、
パソコンを使われる方なら知らない方はいないのではないでしょうか。

こんなグローバル企業の「節税」に監視が強まっているそうです。

ご存知かもしれませんが、企業に対しての税率は国によって様々です。

ここでいう節税とは、低い税率の国に巨額の資産を移して税負担を軽減する仕組みで、
企業にとっては最大の利益を確保するための合法的な措置です。

しかし、財政悪化に直面する各国の政府は「課税逃れ」と指摘しています。

企業のグローバル化やIT(情報技術)化に対して、
各国の税制が追いつかない面があるようです。


米議会上院は4月21日、アップルのクック最高経営責任者(CEO)を呼び、
米国での納税回避を追及しました。

議会の報告書によると、アップルは連邦法人税率が35%という高い米国を避け、
実質的な法人税率が2%以下のアイルランドの子会社に
多額の利益を移転しているというのです。

証言に立ったクックCEOは「アップルは米最大の法人税の納付企業だ。
昨年度は60億ドル(約6120億円)を支払った」と説明しました。

しかし、現金の約70%は海外で保有しており、米国に戻すには
「税制が複雑で膨大なコストがかかる」と指摘しました。
さらに、米企業の競争力強化には、税制の劇的な改革が必要だと訴えました。

アップルに限らず、国によって異なる税制を利用して税負担を軽減している
グローバル企業は少なくありません。

その中でも目立つのは、国境にとらわれずにビジネスを展開するIT企業です。

拠点を構えてモノを作る製造業とは異なり、
どの国で、どの地域向けのサービスを配信するかといった事業内容が、
捉えにくいのです。


冒頭で出てきた、アマゾンジャパン株式会社ですが、
この企業は、日本の法人税を支払っていません。

アマゾンジャパンは商品の売主は日本法人ではなく、
米国ワシントン州法人であるAmazon.com Int’l Sales, Inc.であり、
同社は日本国内に支店等を有しないことをもって国税庁に抗弁してきました。

2009年、東京国税局はアマゾンの流通センター内に
米国法人の機能の一部が置かれており、
これが法人税法および日米租税条約に規定する恒久的施設であるとして、
2003年から2005年について140億円の追徴課税を行いました。

これに対してAmazon.com側は1億2000万ドル(約120億円)を銀行に供託。
その後日米当局間で協議が行われ、日本の国税庁の請求は退けられることで
2010年9月に最終合意に至ったという経緯があります。

そのため国税庁は銀行供託金の大部分を解放しました。

しかし、Amazonの法人税については、依然としてフランス、ドイツ、
日本(2006年から2009年)、ルクセンブルク、イギリスなどによって
査察が進行中、または行われる可能性が指摘されています


この問題が注目されるようになったのは、
昨年、世界的なコーヒー店チェーン、スターバックスの節税が
英国で批判されてからです。

1998年に英国に進出したスターバックスは
低税率のスイスやオランダに利益を移転させました。
その結果、累計30億ポンド(約4700億円)の売上高を計上しながらも、
英国での法人税支払いは860万ポンド(約13億5000万円)しかなかったのです。

緊縮財政策を迫られる欧州の世論は大がかりな税金対策に反発しており、
フランスでは、ルクセンブルクなどに利益を移すアマゾンへの批判が強まったのです。

アップルやグーグルなど、IT5社がフランスで支払った税金は
本来の20分の1だったという民間試算もあるそうです。


これらを受けて、各国政府も対応に動き始めました。

英独仏は今月上旬の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で節税問題を指摘。
欧州連合(EU)は22日に開く首脳会議で、納税の抜け穴をなくす
対策について討議する予定です。

今年の主要8カ国(G8)議長国である英国のオズボーン財務相は
「グローバル経済に合った国際的な課税ルールを(首脳会議で)協議する」と
語りました。

経済協力開発機構(OECD)は今夏をめどに、
グローバル企業への課税の行動計画を策定するようです。

まず極端に低い法人税率を見直すよう要請し、
将来は各国での事業規模に応じて納税するルールを定めるという案があるようです。

日本では、米IT企業ほど積極的に節税に動いている企業は少ないとみられています。
ただ日本政府が単独で企業の保有資産や納税などの情報を把握するのは困難なため
情報共有化や国際的な課税ルールで欧米と連携する考えです。

ちなみに、日本への海外からの進出が進まないのは
日本では法人に対する税率が非常に高いためです。
そのため、まだこのような大掛かりな節税対象国になっていないのでしょう。

海外に進出する一番大きなメリットである法人の税率が各国で見直されれば、
グローバル化の流れが少し変わってくるでしょうか。
関心を持って見ていきたいと思います。