最近、日本でも海の上で発電する研究が始まったというニュースが流れました。
原子力による発電が厳しいなか、波力や潮流などの海洋エネルギー発電を実用化する
期待が高まっています。

政府は、今年度中に国内で実証海域を選定する計画ですが、
その実証施設のお手本とする施設が、
スコットランドのEMEC(ヨーロッパ海洋エネルギーセンター)です。

波力・潮流発電専門の実験施設として2003年に開設され、
すでに10年の歴史があります

スコットランドについては、
      ↓
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89


以下は、スコットランドで国際貿易や対内投資を担当する国際開発庁の
ジョン・スウィニー財務相の談話からまとめてみました。

スコットランド政府では、スコットランドを世界における
再生可能エネルギーの開発拠点にするという政策を掲げています。

理由は2つあります。
 
1つは、エネルギーの生産を持続可能にしたいということ。

もう1つは、スコットランドが地理的に恵まれており、
沿岸で風力、波力、潮力といった海洋エネルギーを活用できるということです。

現在、スコットランドが持つ風力・潮力エネルギーは、
欧州全体の4分の1を占めています。

今までの目標は、2011年までに電力の30%を再生可能エネルギーで賄うという
ものでしたが、実際には37%を実現しました。
現在は、2020年までに電力の100%を再生可能エネルギーで賄うという、
世界で最も意欲的な目標を設定しています。
 
現在の主力は陸上風力ですが、電力のすべてを再生可能エネルギーで賄うには、
洋上風力、波力、潮力発電の技術開発が欠かせません。

そのため、この分野における日本企業との連携に期待しているということです。


その中核的な施設が、スコットランド北方のオークニー諸島にある
波力や潮流発電の実験施設「EMEC(ヨーロッパ海洋エネルギーセンター)」です。

EMECは、英国政府、スコットランド政府、欧州連合 (EU)などが出資する
民間研究機関で、実際の海域を使って潮力や波力発電の設備を評価できる実験施設です。

潮流、深度、発電量などの詳細なデータを長期間にわたって得ることができ、
また実験施設は、スコットランド内の送配電網につながれていて、
きわめて実践的な実験ができるのです。
 

EMECは、世界中から企業を集め、ビジネス機会や投資を呼び込む
「磁石」のような施設にしたいと考えています。

日本企業では、すでに川崎重工業などが実験に参加しています。
今後、こうした関係を強化したいということです。

昨年3月、EMECと日本の「海洋エネルギー資源利用推進機構」の間で
協力覚書を交わしました。

「再生可能エネルギーの中でも、波力や潮力発電は全く新しい技術分野で
EMECで培ったノウハウは、日本でも役に立つだろう。
今後生まれてくるソリューションや新技術を実効性のあるものにしていくために、
日本との連携は有益だと考えている」とジョン・スウィニー財務相は語っています。

さらに、「日本は技術開発力に優れている。
先日、川崎重工業の開発現場を訪問して、その技術力の高さに胸が躍った。
日本で今後、優れた技術が出てくることを期待している。」とも語っています。

前述した再生可能エネルギー比率以外にも、スコットランドは、
温室効果ガスの排出量を2050年までに1990年比で80%削減することを
目標に掲げており、その中間目標として2020年には42%を
削減するということです。

こうした目標を達成するには、何より新技術の開発が欠かせないのです。
 
東日本大震災後、エネルギーや原子力の議論も活発になっているなか、
代替エネルギーにおける再生可能エネルギーの関心は高まっていると感じます。

日本が最終的にどのようなエネルギーミックスを選択するのかは、
今後の日本政府と日本国民の決断にかかっています。
 
日本は島国であり、海岸線が長いという点で、
海洋エネルギーの開発には大きな可能性があります。

日本企業は、この海洋エネルギーという産業分野において技術力を発揮し、
ビジネスの機会を捉えられれば、スコットランドをはじめとする世界で
活躍できることでしょう。