魔法のように会話を楽にする『get』

今日のポイント

・get+名詞で多くのことが言える。have+gotの形で覚えよう。

 

2つの意味を覚えるだけでGetはゲットできる

 

英文を簡単に組み立てるには動詞にGETを用いることがポイントです。たったの2つの意味を覚えるだけ使いこなせるようになります。今日はgetの使い方に精通してください。

 

Getは英語の万能薬

 

「getは万能だ」と言うと、「それは無茶だ。動詞はいっぱいある。getひとつで済むわけがない」と反論が出るでしょう。もちろんその通りですが、getを使うと、後の英語がスムーズに出てくるようになるところがミソです。

 

「I(私)で話し始めると、洗練された英語になる」で申し上げたように、人(IやYou)を主語にすると、後に続く英文が楽に口から出てきます。同様に、楽な言い回しをしたいなら動詞は「get」を使うべきです。

 

「英米人は日本人より本音を言わない」で書いたように、形容詞はgoodさえ知っていれば、当面は十分です。これと同様に、動詞にも中核を成す単語があります。それがgetです。

ある調査によれば、英文において最も頻出度が高い動詞はbe動詞。

第2位が do、第3位が get、 第4が have となっています。

そのあとにgo、 like、 think と続きます。

 

第2位のdoは疑問文で登場しますし、第4位のhaveは現在完了や仮定法に出てきます。これらは文法上使わざるを得ないものです。getにはこうした用法がないにもかかわらず、押しも押されもしない堂々3位なのです。

 

「頻度が多いということは『いろいろな局面で使うということだ』。だから意味がたくさんあって難しいのではないか」と考えるかたが居るでしょう。ぼくは、真実はこの逆だと思います。「頻度が多いほどその単語の持つ意味が薄くなる」のです。

 

 ぼくは米(ご飯)は毎食でも口にすることができますが、好物のうなぎはいくら好きでも毎日は食べることはできません。米は味がほとんどないから毎日食べても平気なのです。同じように、ある単語が何回も出てくるということは、その言葉に意味がないからです

 

その典型がbe動詞です。beにはさしたる意味はありません。

吾輩は猫である

 I am a cat.

このamは、   吾輩=猫  2語を結びつけるだけの、数学の等号(=)のようなものです。

 

getも、これと似た意味の薄い単語です。おおまかに言えば、getはあるときはhave動詞とほぼ同じ意味になり、あるときはbe動詞と似た意味になります。

haveとbeは東西横綱とも言える代表的な動詞ですから、それら2つと同様の働きをするとなれば、getは横綱を超えた存在だと言えます。

 

Getの本質は「くっつく」です。

 

 「getを覚えるだけでそのあとの英語がスムーズに出てくるってどういうこと?」と思うでしょう。それについてお話するには、まずgetの第1の意味をつかんでください。haveと同じ意味になる場合です。2つの意味のうち、こちらがより本質的で重要です。

 

 主語+get+目的語(名詞)

という文があると、目的語が主語にくっつく感じです。

 

「本を買う(もらう)」と「犬を飼う」では日本語では全く違う動詞を使いますが、主語に対して目的語(この場合は本や犬)がくっつくイメージは同じです。離婚は相手が離れていくことですが、離婚という事実が自分にくっつく(バツイチの勲章がくっつく)のです。病気も自分にくっつきます。

 

 

1 get a book  本を買う(もらう)

2 get a dog   犬を飼う

3 get a taxi   タクシーを捕まえる

4 get my wish  願いがかなう

5 get a divorce  離婚する

6 get a date   デートする

7 get cancer   癌になる

8 get approval  許可される

9 get a shot   注射をする

10 get an appetite 食欲が出る

 

このgetには魔法のような力があります。どうしてかというと、他の動詞を使わないですむからです。それを理解するために、getを使わないで、いくつかの表現を言ってみましょう。

 

buy a book  本を買う

suffer from cancer  癌を患う

catch a taxi  タクシーを捕まえる

 

となります。このように、通常は特定の動詞と特定の名詞が結びつきます。鍵と鍵穴を合わせるように、動詞と名詞を一つひとつ合わせていたら面倒です。これに対して、getはマスターキーのようなものです。getひとつでかなり間に合います。

イメージだけをいうなら、get+名詞は日本語の「名詞+やる」に近いかもしれません。例えば、「仕事をやった(片付けた)」とか「風邪をやった(かかった)」と言っても、相手に意図は伝わります。日本語の「やる」ほどではありませんが、英語のgetもやや上品さを欠いた表現になる場合があります。このためgetは会話では使っても、書き言葉では使わないのが普通です。

 

getが万能だというのは、getを使えば「だいたい」の意味が通じるということです。「だいたい」といのとは不正確になってしまう場合も含みます。

 

 

I’ve  got~の形で使えるようにする

 

getは現在完了形で使われることが多いので、それも併せて覚えておきましょう。これはgetの本質にかかわることなので、現在完了についてここで説明します。

 

 学校では現在完了は「過去より新しいが、現在よりは少し古い」と習いました。ぼくはこの説明が全く分かりませんでした。現在から1秒前でも、もうそれは過去になっているので、過去形にするべきだと思えたからです。

 

 英語がしゃべれるようになって分かったのは、現在完了の本質が「継続性」にあることでした。

 「ぼくは彼に賛成した/する。」という文を英語にする場合、

 (1)「あのときは賛成だった。でも、今はもう反対だ。気が変った」と言うならば、継続性がないので過去形になります。

 (2)「今もなお賛成だ」というなら、今も気持ちは継続していますから、現在完了になります。

 (3)あのときも賛成だったけど、そのこととは別に、今の自分の賛成の気持ちを強く表わしたいなら、現在形になります。

 

会話中にこんなことを考えて、過去形、現在完了形、現在形を選ぶのは容易ではありません。だとしたら、現在完了は忘れた方がいいとぼくは思います。疑問文については優先順位が低いので、「疑問文は使わなくていい」と申し上げました。現在完了形も同様です。現在形と過去形だけで済ませましょう。

 

ただし、ここでは例外が一つだけあります。それがhave gotです。

 ぼくがこれまで聞いてきた英語は圧倒的にhave gotの形が多かったです。現在形のgetはあまりお目にかかりません。

 

 読者のみなさんには、have gotを使うことをお薦めします。これだけの差で英語がうまく聞えます。極端に言えば、第1の意味で使うgetはいつもhaveを伴うと考えていただいてかまいません。Getの例はすべてHave gotの形に書き換えらえると考えていただいてけっこうです。例えば、最初の例なら

 I’ve  got a book. 本は買ったよ(手元にあるよ。)  といった調子です。

 

 このhave gotは米語でよく出てくる表現で、しかも最近になって使用頻度が高まっているようです。

 

Getの第2の意味は「~するようになる」

 

 Getが持つ2つ目の意味は、さらっとだけ見ておきます。意味は「~するようになる」というものです。冒頭で、be動詞と似た意味になる、と指摘した用法です。

 

get+形容詞

となっています。形容詞と書きましたが、過去分詞も入ります。

 

 

GET+形容詞で「~するようになる」

1 get hungry  おなかがすく

2 get popular  人気が出る

3 get better  よくなる

4 get suntanned  日焼けをする

5 get dressed  服を着る

6 get married  結婚する

7 get angry  怒る

8 get lonely  寂しくなる

9 get pregnant 妊娠する

10 get lost  道に迷う

 

このgetはisと交換してもあまり意味が変りません。例えば、

 He got married. 結婚した

 He is married.  結婚している

  isが「~である」という意味であるのに対して、getは「~するようになる」ですから、当然意味が違います。しかし、だいたい同じような意味に取れます.

 

また、getには、その後にいろいろな前置詞がつく決まり文句があります。

 get up 起きる

 get on (電車に)乗る  といった具合です。

 

 これらも

 I get up at 7. 7時に起床する

 I am up at 7. 7時には起きている

 

I get on a train. 電車に乗る

I am on a train. 電車の中にいる

 という具合にbe動詞に入れ替えることが可能です。

 

英字新聞や英会話テキストを読んだり、英語ニュースを聞いたりすると、すぐにgetに遭遇します。このコラムを読んだみなさんは、そんな時にはいつも以上にgetに注目してみてください。このgetは1番目の意味「目的語が主語にくっつく」だったか、2番目の意味「~するようになる」か考えてみてください。実例を目にすると理解度が高まります。速く自分のものにすることができます。